昨日から大分落ち着いてきたようだが六月に入って大気の不安定な日が続いていた。寒暖差も激しく水無月と呼ばれる割には雨が多いように感じる。晴れ間が見えていても僅かにパラパラと降り始めたりとなんとも気が滅入る。こんなおかしな天候のせいだろうか、今 我が家の周辺をや夜間になると奇獣が徘徊している。初めて目にしたのはもう十日も前の事だろうか。たまたま翌日の現場入りが速くなったので今のうちに出してしまおうとゴミ袋を片手に集積場(我が家の目の前なんで)に向かった際にこちらを見る銀色に光る怪しげな目。直感的に猫ではないように思え視線が合った時に あッ、狐?
一瞬にして鳥肌が全身を襲ったのは言うまでもない。お互いにしばらくの間、その場でたじろぎ つま先をその方向に向けたのを機に向こうが「ワ~~~ン」と奇妙な鳴き声を上げながら長い尻尾を立て奥のお宅の方に走り去った。早速、タブレットを開いて(スマホだと画面が小さすぎて眼鏡がないと見えないので)ワ~~ン、鳴き声で検索するとヒット!やはり狐のようである。その後も9時を過ぎ、あたりが静まりかえった頃から鳴き声が聞こえるようになった。近隣の人はこの珍客に気づかずにいるのだろうかと訝しむ。
昨晩もベッドに入った頃に聞こえたので寝室から周囲を見渡すと裏のお宅の敷地の中から西の方に走り去る物体(遠くてはっきりとはしなかったので)が見受けられたので思い切って外に出てみたら こんな夜中に散歩だろうか二人連れが鳴き声のした方から歩いてくる(まずは人なんか来るなんて思ってないからそっちにドキッとして)。どこかに行ったのかと向かいの公会堂の方に目をやると こちらをうかがいながら長い尻尾を真っすぐ後ろに向けて走り去っていった。縫製場で母親と依頼を受けていたサンルームの日よけ用カーテンを仕上げていた際にこの辺では鳴き声が聞こえないのかと質してみると「そんな夜中にウソウソしてないからわからん」と無碍なる返答で話は終了。ま、いっか
話は変わって・・・
年度が変わってすぐに課を移動されても事業を発注してい頂く職員の方から「建匠さんで仮設テント建てたり、えらい方が歩く赤い毛氈みたいなのお願いできますか?」とお話があった。どうも会場設備のお話のようなので以前から当店で式典やイベントの時に設置してきた経緯を話すと「もう少し具体的になってきたら相談に乗ってください」との事だった。
丸々二か月ばかり まとまった式典内容に沿ってあれやこれやと予算を算出。了承いただいたものから少しづつ手がけ 当日のスタッフやら前日の準備やらを内密に行った。会場を一緒に歩き現地を確認したのが連休明けで 他の行政ではご参列いただいた際にはどんな具合なのかをメーカーさんを通じて調べあげ、用意したレッドカーペットは実に125mである。
須坂市は今年、市政施工70周年を迎えた。それを記念して様々なイベントが催されている。その中の一環で先日の日曜に高円宮妃をお迎えした。以前にも来訪され臥竜公園(桜の名勝100選)に植樹をされている。まずはその植樹した樹をご覧いただき市民の方と軽く懇談。会場をメセナホールに移して式典が行われたあと、アートパークに移って3時より新たな植樹といった内容である。
早朝(6時半、11時までには完了せよとのお達し)からの2か所におけるレッドカーペットの敷き込みは頭数をそろえて頂いたおかげで10時半には終える。撤収開始を1時半として一旦解散し車に乗り込んだあたりからフロントガラスに大粒の雨痕。とりあえず濡れずに出来たなとツキの良さを感じた。と言うのも昨日の整地(レッドカーペットを敷く一帯に大きな石など取り除き歩きやすくするため)から木曜の予報では土砂降り予想だったのである。スタッフにも着替えを何着か持参するように指示はしておいたが土曜は昼過ぎから強い日差しが届き前日まで雨続きだったこともあって掘り起こしたりするには土も柔らかく作業がはかどった。
家で休んでる間もずっと雨は降り続き結構な雨音が家中に響き渡る。こりゃ~カッパだカッパとゴルフ用のカッパ(通気性が良いので蒸れにくい)を持って車に乗り込み駐車場に着くと不思議なほどに雨が止む。今の内だ! と皆で一気に撤収作業(カーペットが水を含んで一輪車でやっと運ぶ)を進め一時間余りで臥竜公園は完了。今頃はメセナで一時間ほど余裕があるがどうするかと問うと向こうで待っていましょうと次のアートパークに向かった。
コーヒーを飲みながら一服しているとまたまた雨である。なんとも恵まれてきたここまでだったが最後は濡れて帰りましょうとあきらめていたが、高円宮妃がお見えになるとその雨もピタッと止み式典は無事に進む。
式典後、隣接している世界の民族人形博物館を観覧され6人ばかりのSPに警護されお帰りになられた。いや~、SPの人達って本当にビシッとスーツで決めてて首の後ろからコイル状のイヤホンしてるんですねってワイワイやりながら、こちらも雨が戻る前に作業を完了した。最後の写真(施工後)を撮っていると館長たちが出てこられ帰り支度。皆、気を使われたのだろうかお疲れモードで「お疲れさまでした~」と別れた・・・と同時にまたまた大粒の雨なのである。やっぱり高貴な方々は何か持っておいでなのか・・・
相談をされてからというもの、見積もりを用意するにもスタッフの日にちを抑えるのにも「誰が来るの?」「誰?」との押し問答が続いていた。警護が最少人数で行われる関係でメディアも地元ケーブルテレビのみで極秘事項であったために返答は
「ある高貴な方・・・」とだけ答えていた。友人知人はもちろんの事、家族にもある高貴な方がお見えになるのでと返してきた事、実に二か月余り(口は堅いので)。そうはいっても前回、臥竜公園に植樹されたときに碑が立ってんだけどね