多重下請け構造 | すざかシート 「職人の覚悟」  Suzaka Seat Blog

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室内装飾に携わって30年余り。仕事のありかたに正面から向き合って、経験に基づいた知識、ノウハウも織り込んで・・・・・・・・

すざかシート

 昨日の昼から本降りとなった雪も今朝もいくらかはちらちらとしていたが ようやく止んで明るくなり始めた。さすがに今回は体に堪えたえーん。二時ごろにはくるぶしの辺りまで埋まってしまうほどに積もってしまったのでまずはこの時間帯に一度。二時間もすればまた歩道がえらい事になっていたので子供たちが帰宅するのに合わせて二度目えーん。そこを過ぎてから一掃勢いを増して降るもんだから こりゃ、今日の内に届けておいた方がいいだろうと六時過ぎにに出来上がった書類を携え ノロノロ運転でちっとも先に進まない街中へ。戻ってみれば停める定位置のところでさえ、すでに10cmは積もってしまっていたので三度目の雪かき笑い泣き

 

 風呂に入る前に室内を温めようとリビング、寝室のエアコンを点ける。寝室の前にあるベランダは吹き溜まりもあって、この積もりようである。

 

 

 八時には小降りにはなっていたが当家から西南を望めば

  やはり2月はヤバい。

 

 今後は一月で冬は終わりなどと軽口をたたくには二度としない事が肝心である笑い泣き

 

 

 さて、ここに来て2024年問題が頻繁に取り上げられるようになっている。特に運送業界でのトラックドライバーの時間外労働対策が課題とされているが、自身も関わる建設業界でも同様な問題があるびっくりと 今朝は朝のニュースで伝えている。

 

 僕がこの「2024年問題」「時間外労働」「低賃金」を直近の課題と知らされたのは、やはりNHKの特集だったと思う。どこの番組のどこのコーナーだったのかは忘れてしまったがゲストにあの「森岡毅(USJ、丸亀製麺などなど再生させた立役者)」さんを迎え入れ意見を求めていた。

 

 その際に「運送業も建設業も多重下請け構造がある限り道は開けない。まずはこの構造はなくすことである」とお話をされており、実際にその一つの業界に長く携わってきた僕は 十二分に納得をさせられるものだったキョロキョロ。自身でも独立してからすべての業務が下請けだった時代が5年(その後、たまたま加入していた建設国保の仲間が多くの顧客を紹介してくれ工務店、大工さんから直接仕事を頂けるようになれたおねがい)ばかりは続いただろうか。あの頃はただただ自分の時間を仕事に費やし、体を泣かせて日銭を稼いでいた。たまに顔を出す元請けの内装屋さんからやいのやいの言われて それこそ工期に間に合わせるがため 休むことなく現場に通ったものであるショボーン

 

 このままじゃ、いつになっても変われないと感じた僕は、すべてを請けるのではなく週に一度は営業に回れるように努め、顔を出せる時はどんな会でも積極的に参加し「すざかシート」を知ってもらうための時間に割いた。どんなに体を泣かせても先が見通せない(繁忙期は良いとしても必ず波があるので)=収入が安定しない事に危惧した結論だった。今にして思えばあの2~3年が自身の方向性を決めたと言えるかもしれないキョロキョロ

 

 運送業界の事はよくわからないが建設業界の多重下請け構造は身に染みている。これまた建設国保時代だが、顔を売った分それなりに役もいくつか仰せつかって大きな大会や研修会に参加する機会に恵まれた。そこで大工さんを始め多くの職人さんと様々な話をすることが出来、下請けに苦心をされているのは内装屋だけではないんだな~と知る事が出来たキョロキョロ

 

 例えばの話、家を一件作る事になったとしよう。これを町の大工さんが請け負った時、大工さんはまず設計士さんに図面を依頼する。その図面に基づき基礎工事が行われ、用意した材木に墨付けを行い刻み(今はプレカットでほぼほぼ3日ばかりかければ工場で出来る)へと進み レッカーを駆使し上棟式である(昔は墨付け、刻みでひと月)。建て方が済むと屋根(瓦だったり板金だったり)が出来上がり壁へと進む。外壁が仕上がるといよいよ室内の造作となり、電気の配線、設備の配管→間仕切り→左官、塗装、内装。一通り中がきれいになれば器具付け迄終えて引き渡しである(ここまで大体35坪程度のものなら3か月)。

 

 これらが全て順番に一つの業者が進めていくのであればさほど問題はない。困ったことが設計であれ基礎であれ左官であれ、その他の業種であれ、それぞれ下請けに出される場合がある事である。当然大工さんもしくはA工務店、B不動産がお客様から頂いた額には決まりがあって 各業者が見積もった額にも限りがある(中にはデベロッパーが面積のみで算出したもので発注が掛けられる。これが最悪のパターンで俗にいう『あてがいぶち』である)。頭が決まっていれば それぞれに下された業務が少しづつ額的に目減りしていき、実際に施工される職人の手元に届くころにはお客様が約束を交わした額の半分しかないなんて事がザラになるのである。

 

 この図式に仕事の質が関わってくるので大変である。今、大手ハウスメーカーさんの役員さんともなれば運転手付きでご出勤されるところも少なくないだろう。こういった経費も全て手元に届くころに半分になってる要因である。それなら自分達でがんばればいいじゃないかと言われれば簡単であるが 建匠を見てもそうだが、多くの職人と言われる方々は営業だの事務だの経理だのと言われる 事業を運営していくのに絶対に必要となる分野は苦手な人ばかりショボーンで、そんな特異性も手伝ってか 中々どうして この受注から引き渡しまで問題なく出来る事業所は限られてくるのである。

 

 今、僕が考えている事は別にある。おそらくは10年もすればこれまで通りに家やビルを建てる人はいなくなってくると思っている。この話をしてると長い綴りがさらに長くなるので次回へと回すとして・・・笑い泣き

 

 根が深いんですよ、争いごと同様に。せめてまず、運送業界だけでも2024年問題に対して周囲の理解が得られるよう静観しています。真顔