令和5年度会員自選作品集(116) 母の蕎麦碾き 和田レイ子 身の程を合わせ生むと思ふとき春の気配の陽のやはらかし アスファルト割れ目に早もたんぽぽの咲くを見知りて抱く愛しさ 三歳の夫を残して義父戦死愁ひを見放く八月の雲 緩やかに石臼の音ゴロゴロと母の蕎麦碾き見詰めしかの日 神無月厳しき日々の寒暖差体内時計狂ほすやうな ※ 会員掲載の231名の自選作品はこれで終了します。 次回は各結社賞の作品を載せる予定。