※ 掲載は一人5首にさせていただきます
ひまわりの大地に平和を 樋口忠夫
蒼穹は神の栄光をあらはすとふ されど人界や恣意に乱るる
コスモスを統ぶる天意も曇るらむ露国トップの狂気已まざる
ロシアの非を其(そ)と覚えつつ口つむぐ覇権にむすぶ打算の大国
大昔にノアの洪水の事跡あり 然れど核戦争に箱舟はなし
ひまわりの大地に平和の返り来よ 正義に神の差配やあれかし
ふる里宅急便 瓢子朝子
春の山菜楤の芽山蕗どつさりと甥より届くふる里宅急便
逢う人も眼裏に顕つ街並も変はりしふるさと それでいいのよ
老いをかこつわれに見よとか積もる雪被く庭木々の耐へしのぐさま
つまづきし段差をみれば二センチの敷石に自嘲す九十二歳
避くるにも避けやうのなし一歩々々老いはすり寄る知己のごとくに