※ 掲載は一人5首にさせていただきます
令和四年 竹田絹子
うす雲のあはいにゆるり昇りくる初日は我が家のリビングまで
ああ又も「ひまわり」に重ねぬあのをみなフィアンセをロシアへ連れ行かれ
あの日より七十八度目の夏が来て彼の日のやうに照りつく太陽
自民党のPRのやうな国葬が二時間も続くテレビ中継
中学の同級生より届きたる土屋文明の『万葉集』十巻
今年のメモ 竹之内由美子
花びらを集めて今朝の我が遊びお盆に並ぶ桜ごはんが
タンポポの冠ばかり並びおり全員王様畦道ゆけば
ひんやりと窓ぎわに夜気押し寄せて盆太鼓のひびきも涼しさ戻る
作品の出来に満足の親の顔ひまはりのやう首振りゆるる
石のよな人になりたしとメールせば同感ですよと母逝きし友