令和5年度会員自選作品集(61) | 短歌活動をめざす北海道歌人会

短歌活動をめざす北海道歌人会

北海道在住の歌人や愛好者、もしくは道外転出者も希望によって会員とする北海道歌人会です。短歌における親睦と創作を希望する方はどなたでも加入できます。ぜひ、一緒に短歌を楽しみましょう!

 

 

     ※ 掲載は一人5首にさせていただきます

 

 

令和四年 竹田絹子

 

うす雲のあはいにゆるり昇りくる初日は我が家のリビングまで

 

ああ又も「ひまわり」に重ねぬあのをみなフィアンセをロシアへ連れ行かれ

 

あの日より七十八度目の夏が来て彼の日のやうに照りつく太陽

 

自民党のPRのやうな国葬が二時間も続くテレビ中継

 

中学の同級生より届きたる土屋文明の『万葉集』十巻

 

 

 

今年のメモ 竹之内由美子

 

花びらを集めて今朝の我が遊びお盆に並ぶ桜ごはんが

 

タンポポの冠ばかり並びおり全員王様畦道ゆけば

 

ひんやりと窓ぎわに夜気押し寄せて盆太鼓のひびきも涼しさ戻る

 

作品の出来に満足の親の顔ひまはりのやう首振りゆるる

 

石のよな人になりたしとメールせば同感ですよと母逝きし友