令和5年度短歌年鑑より ※ 文章を省き、各結社短歌を10首前後紹介
【北海道アララギ】昭和三十一年創立、発行人は阿知良光治氏。
ペンションを助けむとして移住せし娘は病に身罷りゆきぬ 下平公枝
笑顔たたへ「やはり止めましょう」と朝の酒嫁は断じて栓をゆるめぬ 成澤 茂
恙無くけふの一日の了りゆく再びは無き一日なりし 黒沼友一
核事故十年経たる田や畑に樹木の伸びて野鳥棲みつく 今野金哉
九条にて平和守ると言ふ君はこの現実をしっかりと見よ 伊藤和生
ウクライナに防弾チョッキを寄附するは日本が戦争に加担することか 寄木由美子
大豆畑廻るコンバインに杳き日の唐棹振りし秋の日思はる 伊藤啓子
老ゆれども車運転止め難し妻の通院われが添はねば 櫛引孝三
吾に来て六十八年か杖に倚り桜の下に花を見る妻 森 偉策
障害児産まぬ基準はどこにある出生前の診断広がる 藤吉 愛
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