道内発行歌誌の展望(林 多美子) | 短歌活動をめざす北海道歌人会

短歌活動をめざす北海道歌人会

北海道在住の歌人や愛好者、もしくは道外転出者も希望によって会員とする北海道歌人会です。短歌における親睦と創作を希望する方はどなたでも加入できます。ぜひ、一緒に短歌を楽しみましょう!

 

 

発行誌より(5)  ※ 文章を省き、代表短歌を紹介

 

14.歌群

国連の影響力が問われをり戦争止る手段も持たず   上坂英光

 

再建を願って一人チェロを弾くがれきの中のバッハの調べ   上原詩穂子

 

 

15.座

身の裡に棲みをる鴉啼くからに外の鴉も声をかけくる   大家 勤

 

 

16.荒潮

氷河期へ続いているらし温暖化さきへさきへと伸びる木道   一戸陽子

 

 

17.潮 

話し掛けてきたのか肩に降る銀杏何から語らむあれからそして   五百川紘子

 

 

18.あらつち

堆き雪に車の擦れ違ひ片手を上げて道ゆづり合ふ    川崎明美

 

 

19.由紀座左

ベランダに命おえたる糸蜻蛉手のひららにとり土に返しぬ   谷内幸子