エポキシパテ(エポパテ) タミヤ製「高密度タイプ」と「速硬化タイプ」の使い方
「エポキシパテ」略して「エポパテ」と呼ばれる素材は2種類の材料を練り合わせ、化学反応によって硬化する素材です。硬化するまではねんどのような感覚で扱えます。そのため指やヘラやスパチュラなどで形作ることができます。ポリエステルパテやプラスチックパテは歯磨き粉のようなペースト状なのでこういうことは得意ではありません。
上記はタミヤ製の代表的な2種類。上の青っぽいグレーが「高密度タイプ」で「20~25度では約12時間で硬化する」とマニュアルにあります。下の黄色が「速硬化タイプ」で「20~25度では約6時間で硬化する」とあります。この時間で完全に固まるというより、「固まり始めるのがそれくらい」と思った方がいいでしょう。実際夏場で「速硬化タイプ」を使って丸一日経ってもまだちょっとやわらかいです。
エポパテは完全硬化してもプラスチックパテのように溶剤が揮発してへこむということもありません。乾燥で固まるファンドとは違うのでパーツ間の隙間に入れて、水分が蒸発せずいつまで経っても固まらないということもありません。
こちらは「速硬化タイプ」の購入直後から取り出した状態。このように勝手に硬化しないように完全密封されております。これを等分ずつはさみなどで切り分け、完全に混じり合うように練り合わます。練り合わせが不完全だと硬化不良が起きいつまで経っても固まらなくなります。きっちり等分でなく多少アバウトでも大丈夫です。
冬場は固くなるのでドライヤーやヒーターで温めると柔らかくなります。ただしセメダイン社製のエポパテは温めると固まるらしいので今回はタミヤ製パテだということを間違えないでください。また製造日から時間が経ったものはもっと硬くなります。お店で買うときはパッケージが傷んでいないか見てみましょう。
模型用のエポパテはこのように良心的なパッケージになっておりますが、セメダイン社のように「補修用」となっているものは年輪のように内側と外側が癒着した状態で生産されているため、買い始めの頃やしばらく放置したとき勝手に反応を起こして不純物のように固まり、そこだけ捨てるしかなくなることがあります。無理矢理練り合わせようとしてもムリなのであきらめてそこだけ切り取って捨てるしかありません。
詳しくは下記リンクから。
練っているときは指紋にしっかり食いついてくるので、ワセリンかメンタムか水をつけると手に付きにくくなります。このワセリンを利用して「パーツ同士をぴったりした形で合わせたいけど、取り外しが出来るようにしたい」というときにパテと盛りつけ部の間にワセリンやメンタムを塗っておくと簡単に外れます。詳しくは下記リンクから。ワセリンとメンタムは薬局で売っている少量のお好みのモノをどうぞ。ただしそれは模型専用にしないと皮膚にアレルギー反応が起きる可能性があります。
上記写真の白っぽいグレーの部分が盛り合わせた箇所。スパチュラなどで形を整えることができます。
初心者の頃によく「やっちまった」例。最近でもたまにやるけど。こういうねんど的な使い方ができる素材は作業を進めていくと「先に形を作った部分がいつの間にか押しつぶしている」ことがあります。これを防ぐためには「左側だけを盛りつけて、固まったら右側を盛りつける」か「表面だけを盛りつけて、固まったら裏面を盛りつける」という使い方をしましょう。
形を整えたあと水をつけた指で軽くなでると表面処理が楽になります。
硬化時間は様々です。100円ショップのように一分でコチコチになるもの。タミヤのように丸一日経ってもまだふにゃっとしてて、完全硬化は2日待たないといけないもの。各メーカー各種類によって余りにもバラバラなので、いままで取り上げようと思っても6年近くスルーしていたのはそのせいです。
エポパテはちょっとお値段が高めの素材ですがポイントを抑えて使用すれば非常に便利なものです。でも初心者が扱う場合問題があります。時間が経てば固まるということは、形の作り方がよくわからない初心者のうちに使うと形になる前に固まってしまうということです。
完全に硬化するまえにナイフやカッターを使うと作業が楽です。ヤスリがけも可能です。ただし高密度タイプはヤスリの目にすぐ詰まるのであまり細かい金ヤスリは使わないほうがいいでしょう。水研ぎが出来る耐水ペーパーかスポンジヤスリがお勧めです。切削中にはがれてしまったら瞬間接着剤でくっつけましょう。
年輪型のエポパテは完全硬化するとカチカチになるので、モノによっては「コンクリか!」と思えるほど固くなるタイプもあります。100円ショップのものや「補修用」のものはそういう傾向があるようです。「硬化時間10分」って書いてあったのに6分も経たないうちにコチコチになったこともあります。こうなるともう使い物になりません。高かったのに・・・(;Λ;)
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