サーフェイサーの使い方吹き方と表面処理の重要性 | 女の子フィギュアの作り方☆超初心者向け講座

サーフェイサーの使い方吹き方と表面処理の重要性

「サーフェイサー」とはコーティング剤のことで作品の製作中についた傷や細かい凹凸をふさいでくれる非常に便利なものです。これが発売されたおかげで表面処理にかける手間が格段に減りました。表面処理という作業がどれだけ重要なのかをまだわからない初心者の人にはそれほど必要性を感じないものかもしれません。今回はそういう人向けに使い方と吹き方の記事を書いてみました。

こちらがスプレータイプのサーフェイサー。色はグレーです。


まだサーフェイサーを吹く前の状態。ヤスリで800番くらいまで仕上げてます。
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鼻のまわりに盛り付けの断層がみえています。でも正しくヤスリがけをしていればこの状態でサーフェイサーを吹いても断層のあとを綺麗に消すことができます。

グレーサーフェイサーは下地の色への隠ぺい力がつよく、バラバラの色や素材で作られた作品の色を均一にしてくれます。この均一化によってこの後に白を塗ったとき下地が透けることなく綺麗な下地塗りができるようになります。またグレーは傷を見えやすく浮き上がらせる効果が高い色です。製作中には気づかない小さい傷がサーフェイサーを吹くことではっきり見つかることもあります。

白いサーフェイサーもあります。白いサーフェイサーは発色がよいためフィギュア向けと思えますが、自作フィギュアの場合は複数の素材を使うことがあり、隠ぺい力の弱い白は不向きです。

たとえば、本体は白のファンド。顔は黄色のポリパテ。髪はグレーのオーブンねんど。アクセサリーはエポパテ。というようにバラバラな素材で作った場合パーツごとに微妙な色むらができ、傷の発見をしにくくなります。サーフェイサーには筆で塗りつける瓶入りタイプもあります。

ピンクのサーフェイサーもあります。ピンクも隠ぺい力がそこそこあり傷も発見しやすいです。上からフレッシュ(肌色)を塗装するときは下地として使えるでしょう。

サーフェイサーを吹く前に中性洗剤と柔らかいブラシで表面の油分とホコリを洗い流しましょう。
このパーツは素材にオーブンねんどを使用したので水洗いをしても問題ありませんが、ファンドなど水に溶ける素材は柔らかい歯ブラシで削りカスをよく落としてからにしましょう。
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スプレータイプを使う場合は塗装環境を準備する必要があります。写真のように壁と床を新聞紙を敷き詰め、さらにダンボールを用意します。
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今回はパーツがひとつだけなのでアルミ線で大雑把な台をつくっています。

パーツはこのように手にとってスプレーします。以下のものを必ず用意しましょう。
手袋を着用する。 安いものでもいいのでマスクをする。 窓を開けるか換気扇を回す。
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吹きつけるときはスプレーがつきにくい角やへこんだ場所から吹きます。そうしないと液ダレの原因となります。右、左、上、下、正面というふうに別けて吹きつけるといいでしょう。

サーフェイサーを吹くときは全体がかかったら10分ほど一旦乾かす。また全体に吹いてまた10分ほど乾かすを繰り返します。
一回目はサーフェイサーサーフェイサーが薄く載る程度。

二回目は元のパーツの色が透けて見える程度。

三回目でようやく全体がグレーになる程度。

顔パーツの場合顔を上にして乾燥すると液だれが溜まらず均等に吹き付けが出来ます。

ドライヤーを使って乾かすのも有効です。ただし必ず「送風」か「クール」で使用すること。「ホット」にするとサーフェイサーから気泡が発生して穴だらけになります。

一度に大量に吹きつけると乾く前のサーフェイサーが垂れてしまい乾きづらくなります。さらに液ダレの跡が残り、パーツの形状が変わってしまうため製作のやり直しになります。さらには本来モールドとして残しておきたい細い溝が埋まってしまうこともあります。

 

もしそうなったときは「アクリル系」か「ラッカー系」の「うすめ液」を筆に少量付けて、ていねいに塗ります。すると一度固まったサーフェイサーが溶けるので液だれや、埋まったモールドを復活させることができます。

サーフェイサーを吹き終わった状態。ここで終わりではありません。
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色がグレーになるとこんなふうに製作中に気づかなかった小さな傷や気泡が見つかります。
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こういうときはヤスリがけのやり直し。
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「こんなに削ったらサーフェイサーを吹いた意味がないのでは」と思われるかもしれません。でもこれがサーフェイサーの使い方なのです。
サーフェイサーを吹く→傷をチェック→傷を埋める→ヤスリがけをする→またサーフェイサーを吹くを傷がなくなるまで繰り返します。

こうして傷のない完成度の高い作品が生まれます。

原型師と呼ばれる人たちは全パーツに対してこの作業をしているわけです。
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ちなみにサーフェイサーで表面を完全にコーティングしたものは水研ぎできます。ファンドなど水で溶けるねんどでも完全にコーティングしたものは耐水ペーパーに水をつけて磨くことができます。当たり前ですがコーティングした厚み以上を磨くと下地が出てます。水研ぎは本当の最終段階にするといいでしょう。

サーフェイサーを使うときひとつ重要なポイントがあります。サーフェイサーはアクリル系塗料の溶剤のため、サーフェイサーの上から筆塗り塗装ができない。正確に言うとエナメル系以外の塗料を筆塗りするとサーフェイサーが融けててしまうのです。そのためラッカー系塗料とアクリル系塗料はエアブラシかスプレー缶を用いて塗装するしかありません。また表面がプラ剤でコーティングされ水性絵の具をはじくため、これも使えません。

エアブラシを持っていない人はサーフェイサーを使わず表面仕上げをヤスリだけで仕上げるか、マスキングをしながらスプレー塗装→細かい部分はエナメル塗料で筆塗り、という手順が必要になります。

 

ほかにちょっと強引な技を紹介。「サーフェイサー仕上げ完了」>「ラッカー系白いスプレーで全パーツを塗装」>「ラッカー系以外の塗料、アクリル系かエナメル系塗料で筆塗り」でOK。これは溶剤の強さによるものです。詳しい記事は下記のリンクから。

タミヤの製品はふたのうらにマニュアルがあります。



サーフェイサー初心者のために具体的な使用方法や、塗装するときの注意点「目止め材」としての利用方法など書かれています。初めてサーフェイサーを買う人はタミヤ製をおすすめします。

 

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タミヤにこだわらない、サーフェイサーのことなら分かってるという人はGSIクレオスもお勧め。使い勝手は変わりません。

 

1200という数字は「1200番のヤスリをかけた程度の仕上がりになります」という「目安」です。
凸凹のひどいパーツにいきなり吹いても1200番の仕上げになるわけではありません。必ず紙ヤスリで1000番近くまで仕上げてから使用してください。

 

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