大国主と武甕槌。国譲りの神話 ~ 大物主神物語(2)
大国主(オオクニヌシ)の天下(あめのした)から、
天津神(天の神様)にとって代わるターニングポイントがあります。
「国譲りの神話」です。
高天原(天上界)の天照大神の命を受け武甕槌(タケミカヅチ)が先兵として降臨します。
出雲・稲佐の浜で十束剣(とつかのつるぎ)を突きたて、その上に胡坐をかいた異様な格好で登場します。
そこで大国主と対峙し、大国主に天下国家を、天照大神の天津神に譲るようにと迫ります。
大国主の力とカリスマ、スクナヒコの知識と知恵で平定した葦原中国(あしはらなかつくに:地上界)。
タケミカヅチは、天照大神の御心を大国主に語ります。
「汝がうしはける葦原中国は
わがみ子の知らさむ国と言よさし給えり」
葦原中国は、あなたが私物化し支配しているが、
わが君のように民衆の心を知り、
民衆のために公平に治めるべきである。
大国主、心うたれるものがあったのでしょうか。
かつて全身全霊をかけて国造りを行った。
師でありかけがえのない親友であった「スクナビコ」。
ひとつの謎かけをし常世国(あの世)へ去って行きました。
「私たちが造っているこの国は、はたして、善くできているといえるだろうか」
これにスクナビコが答えます。
「善く出来たところもあるし、できなかったところもあるね。」
この答えが、タケミカヅチひいては天照大神にうかがえました。
大国主は武力による支配を行っていました。
まさに天下を私的に支配をしていたといえるでしょう。
彼のカリスマ故にできたのかもしれません。
しかし、それが子の代となると・・・・?
大国主は嘆息します。
「私はすでに一線をしりぞき、全ては子らに任せている。
我が子たちに問うがよい。」
タケミカヅチは大国主のいうとおり、二人の息子に詰めよります。
内政を司るコトシロヌシは、あっさりと権限の移譲します。
軍事を司るタケミナカタは、最後まで抵抗します。
これを徹底的に打ち負かし諏訪(長野県信州)まで追いやります。
― 国譲りの時。
タケミカヅチは、大国主に天照大神の系譜による統治を説きます。
それは信頼と尊敬による統治。
天下万民の心を理解し公平に治めることでした。
大国主、心うたれるものがあったのでしょう。
大国主は、ニヤリと壮絶な笑みを浮かべます。
「・・・タケミカヅチよ。
貴様らのいうとおり天下を天照大神の子らに譲ろう。
私はこの世を退いてやる。
条件として私を祀る天にも等しい社をたてよ。
そこで貴様らの治世のゆくすえを、みとどけてやる。」
気圧されたタケミカヅチは応じます。
それを聞き届けると大国主は命を絶ったのでした。
国譲りの神話。
”戦争”という観点で伺えば、天津神は、外交と戦略によって大国主に勝利したといえるでしょう。
しかし―
3.「天に等しき出雲大社 光と影 大物主神の登場 」へつづきます。
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大物主神物語
1:我は汝の幸魂奇魂なり。大国主神と大物主神。
2:大国主と武甕槌。国譲りの神話
3:天に等しき出雲大社 光と影 大物主神の登場
4:タタリ神!?大田田根子命をさがせ! 大物主神と崇神天皇
5:味酒 倭なす大物主の醸みし神酒
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そこで大国主と対峙し、大国主に天下国家を、天照大神の天津神に譲るようにと迫ります。
大国主の力とカリスマ、スクナヒコの知識と知恵で平定した葦原中国(あしはらなかつくに:地上界)。
タケミカヅチは、天照大神の御心を大国主に語ります。
「汝がうしはける葦原中国は
わがみ子の知らさむ国と言よさし給えり」
葦原中国は、あなたが私物化し支配しているが、
わが君のように民衆の心を知り、
民衆のために公平に治めるべきである。
大国主、心うたれるものがあったのでしょうか。
かつて全身全霊をかけて国造りを行った。
師でありかけがえのない親友であった「スクナビコ」。
ひとつの謎かけをし常世国(あの世)へ去って行きました。
「私たちが造っているこの国は、はたして、善くできているといえるだろうか」
これにスクナビコが答えます。
「善く出来たところもあるし、できなかったところもあるね。」
この答えが、タケミカヅチひいては天照大神にうかがえました。
大国主は武力による支配を行っていました。
まさに天下を私的に支配をしていたといえるでしょう。
彼のカリスマ故にできたのかもしれません。
しかし、それが子の代となると・・・・?
大国主は嘆息します。
「私はすでに一線をしりぞき、全ては子らに任せている。
我が子たちに問うがよい。」
タケミカヅチは大国主のいうとおり、二人の息子に詰めよります。
内政を司るコトシロヌシは、あっさりと権限の移譲します。
軍事を司るタケミナカタは、最後まで抵抗します。
これを徹底的に打ち負かし諏訪(長野県信州)まで追いやります。
― 国譲りの時。
タケミカヅチは、大国主に天照大神の系譜による統治を説きます。
それは信頼と尊敬による統治。
天下万民の心を理解し公平に治めることでした。
大国主、心うたれるものがあったのでしょう。
大国主は、ニヤリと壮絶な笑みを浮かべます。
「・・・タケミカヅチよ。
貴様らのいうとおり天下を天照大神の子らに譲ろう。
私はこの世を退いてやる。
条件として私を祀る天にも等しい社をたてよ。
そこで貴様らの治世のゆくすえを、みとどけてやる。」
気圧されたタケミカヅチは応じます。
それを聞き届けると大国主は命を絶ったのでした。
国譲りの神話。
”戦争”という観点で伺えば、天津神は、外交と戦略によって大国主に勝利したといえるでしょう。
しかし―
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