狼のブルース 2 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい


                  tpsdav


「 飛んで 火にいる 夏の虫 」 

  なんてぇことを 申しまして

  間の悪い奴は どの世界にもいるものです

  たまたま 間抜けな はぐれ狼が村を通りました


「 あっ ~! 狼だ ~! 」


「 えっ ? オイラのことですかい ? 」

  狼は 振り向き 立ち止まりました


「 ガキの 嘘かと思ったら 本当に いたんだ ! 」

「 なんでもいい ぶちのめせ ~! 」

「 ☆ ぼっこ ぼこ ぼこ ☆ ! 」


  羊飼いの少年も 狂喜乱舞で加わりました

「 うひゃひゃひゃ ホントに 狼がでたぞ ~ ♪ 」

「 小僧 お手柄だぞ 」

「 もっと褒めてくれる ~?

  えへへっ うへへへ ♪ 」

  少年は浮かれ ヒーロー気分で 

  急所狙いの エグい殴り方をしました

「 ぼっこ ぼこ ぼこ ぼこ ふるぼっこ ~ ♪ 」

  狼は わけも分からず 殴られまくりました


「 うぎゃぁぁぁあ~ 殺されれるぅぅぅう ~! 」

  狼は ボロボロになりながら 辛くも逃がれました


「 ヒィィィ なんて人間は 恐ろしい生き物だ 」

  狼は 体中に 打撲を負いました


「 なんてヒドイ事をしやがる ! 

  オイラは 羊も豚も 襲わずに 

  残飯あさっているだけなのに ~

  悪さを したわけでもないのにぃ ~

  殺す気か ~~!

  訴えてやる !

  野生動物は 大切にしろよ !

  理性のかけらもない

  猿にも劣る 野蛮な連中だ ! 」

  狼の頭の中は 人間に対する憎悪にあふれました

「 許せん ! 

  いつか 復讐してやる がるるぅぅぅ~ 」
 
  しかし はぐれ狼は もともと弱い狼です

  群れから離れているので 仲間もいません
 
「 さて どうしたものか ? 」

  狼は 腕組みして考えました


「 鬼のような形相をした あの屈強な

  村人たちには かなわないだろう

  クソガキも 大嫌いだ 

  あんな連中を 相手にするのは まっぴらごめんだ

  では どうしようかなぁ ? 」

  しばらく 熟考しました


「 そうだ 弱い人間を襲えば いいんじゃネ

  人間ならば 誰でも 構わないさ うん !

『 復讐するは 我にあり 』 だ ! 」

  狼は 自分の思いつきに 小躍りしました

「 イデデデェ 身体が 壊れそうだ ひぃぃぃ 」


  悲鳴を上げる 我が身に

  ますます 復讐の炎が燃えました

「 この恨み はらさずには

  おくものかぁぁぁぁああ ~ ! 」


  嗚呼 人類の運命は いかに ?

       続 く