tpsdav
「 飛んで 火にいる 夏の虫 」
なんてぇことを 申しまして
間の悪い奴は どの世界にもいるものです
たまたま 間抜けな はぐれ狼が村を通りました
「 あっ ~! 狼だ ~! 」
「 えっ ? オイラのことですかい ? 」
狼は 振り向き 立ち止まりました
「 ガキの 嘘かと思ったら 本当に いたんだ ! 」
「 なんでもいい ぶちのめせ ~! 」
「 ☆ ぼっこ ぼこ ぼこ ☆ ! 」
羊飼いの少年も 狂喜乱舞で加わりました
「 うひゃひゃひゃ ホントに 狼がでたぞ ~ ♪ 」
「 小僧 お手柄だぞ 」
「 もっと褒めてくれる ~?
えへへっ うへへへ ♪ 」
少年は浮かれ ヒーロー気分で
急所狙いの エグい殴り方をしました
「 ぼっこ ぼこ ぼこ ぼこ ふるぼっこ ~ ♪ 」
狼は わけも分からず 殴られまくりました
「 うぎゃぁぁぁあ~ 殺されれるぅぅぅう ~! 」
狼は ボロボロになりながら 辛くも逃がれました
「 ヒィィィ なんて人間は 恐ろしい生き物だ 」
狼は 体中に 打撲を負いました
「 なんてヒドイ事をしやがる !
オイラは 羊も豚も 襲わずに
残飯あさっているだけなのに ~
悪さを したわけでもないのにぃ ~
殺す気か ~~!
訴えてやる !
野生動物は 大切にしろよ !
理性のかけらもない
猿にも劣る 野蛮な連中だ ! 」
狼の頭の中は 人間に対する憎悪にあふれました
「 許せん !
いつか 復讐してやる がるるぅぅぅ~ 」
しかし はぐれ狼は もともと弱い狼です
群れから離れているので 仲間もいません
「 さて どうしたものか ? 」
狼は 腕組みして考えました
「 鬼のような形相をした あの屈強な
村人たちには かなわないだろう
クソガキも 大嫌いだ
あんな連中を 相手にするのは まっぴらごめんだ
では どうしようかなぁ ? 」
しばらく 熟考しました
「 そうだ 弱い人間を襲えば いいんじゃネ
人間ならば 誰でも 構わないさ うん !
『 復讐するは 我にあり 』 だ ! 」
狼は 自分の思いつきに 小躍りしました
「 イデデデェ 身体が 壊れそうだ ひぃぃぃ 」
悲鳴を上げる 我が身に
ますます 復讐の炎が燃えました
「 この恨み はらさずには
おくものかぁぁぁぁああ ~ ! 」
嗚呼 人類の運命は いかに ?
続 く