偽童話 氷の女王 2 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい



<< がやがやがや >>

「 おや? 女王様 」

「 何だ !? 」

「 なんだか 表が 騒がしいんですけど 」

「 お前 ちょっと 見てこいや 」

「 あぁ はいはい  あぁァァあああア~! 」

「 なんだ ! うるさいよ ! 」


「 ゲルダ ! ここにいるのか !? 」

  男の子が 息せき切って ドアから入ってきました。

「 お い ! 

  あたしが さらってこいといったのは

  この少年だよ ! 」

『 あらら まぁ綺麗な男の子ですなぁ~ 」

「 ゲルダを かえせ ! 

  ツララだらけの館に住む 氷の女王 ! 」




「 えぇ ? 何のことやらぁ~ 」

  女王は しらばっくれました。


「 カイ ! あたしはここよ ! 」

  麻袋の中のゲルダは 目を覚まして叫びました。

「 チィイ ! 知られちゃァしょうがない

  飛んで火にいる 冬の虫ってか 

  また 拐いにいかせる手間が 省けたってこった

  おい 従者よ この子を ふん縛れ ! 」

「 えぇ めんどくさいですなぁ~ 」

「 臨時ボーナスを出すと言ったら ? 」

「 やりますやります お任せ下さい

  うひょひょひょ ♪ 」

「 男の子は あたしがもらうから 

  少女は お前が好きにしろ 」

「 ははぁ ~ ありがたきしあわせ ~♪ 」

  変態従者は ヘラヘラ笑いながら

  美少年に にじり寄りました。










<< ピ ~ ! >>

 少年が 口笛を吹きました。


<< ドタバタドタバタ >>


 村人たちが ドアから押し入ってきました。

「 てめえたちか ! ゲルダをさらったのは ? 」

「 少女誘拐犯め ! 」

「 ふん縛って 雪に埋めてやろう 」

「 それがいい ! 

  アレと氷の女王にふさわしい お仕置きだべ~ 」

「 氷漬けの女王にしてやるだべ~ ! 」



  

  何人もの屈強な村人が

  女王と 変態従者を取り囲みました。


「 覚悟しゃがれ ! 」

「 年貢の納め時だな 」

「 引っ越しの挨拶も 無かったよな 」

「 村の集会費も 払わないし

  ゴミ出しは いい加減だし 」


「 オイ やばい状況だぞ ! 」

「 そうですねぇ~ 」

「 あっという間に バレたじゃないか ! 」

「 村人で こんな悪さする人はいないから

  どうしても よそ者の女王様が

  容疑者になるのでしょうねぇ~ 」

「 分析してる場合じゃねぇだろう !

  どう すんだよ ! 」

「 まぁ いつものように トンズラ ですねぇ 」

  変態従者が 股間に手を入れ

  ゴソゴソと 何かを取り出し

  床に投げつけました。


<< B O Ò M ! >>




  たちまち煙と 臭気が部屋に充満しました。


「 げほげほ ! 」「 ごほごほ ! 」

「 くっさい ! 」「 スカンクのガスか ? 」


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


「 やれやれ なんとか 逃げ出せましたねぇ 」

「 何だよ この クッサイ匂いは ? 」

「 爆薬に わたくしめの香りを濃縮ブレンドしました 」

「 悪臭で 殺害する気か !? 」

「 えぇ ? 風流に優美な香りを

  残り香にしようと思ったんですがねぇ 」

「 あぁ 鼻が ひん曲がりそうだ ! 」

「 えぇ ? お嫌いですか ?

  プアゾンにも似た

  良い香りのはずなのですがぁ ? 」

「 ば っ か や ろ ~ ! 

  ほんとに プアゾン( 毒 )だ ! 」







「 しかし また流浪の身になりましたねぇ とほほ 」

「 また 次の国に行けばいいんだよ ! 」

「 ほんと学習能力のない 悪い お ん な !

  うひょひょひょひょ ♪ 」

「 さぁ 気を取り直して

  新規蒔き直し ガンバルぞ ~! 」


「 やれやれ 全然お話 盛り上がりませんでしたねぇ

  まぁ 『 アナと雪の女王 2 』 に

  乗っかっただけですからねぇ

  次は どうなることやら 

  みなしゃ~ん またいつか 

  どこかの偽童話で お会いしましょう 

  では さよならさよならさよなら 」


      おしまい