カイという少年と ゲルダという少女がいました、
二人はとても仲良しでした。
「 おい ! 」
「 は~い お呼びですか 女王様 ~ 」
「 ちと 頼み事があるんだが 」
「 はぁ 何でしょうか ?
どうせ ロクデモナイことでしょう ?
「 また 誘拐をしてほしいだけど 」
「 またですかぁ ? こりませんね
昔それで 国を追われたでしょうが (偽作人魚姫)
それで他所の国で悪さして(偽作白雪姫)
また逃げる羽目に 流れ流れて
今は こ~んなに寒い国に来ちゃいましたよ~
廃墟同然の 館に住みだして早、半年
地元の村人たちも 気味悪がって
我々を アレと氷の女王と 揶揄してますよ ~ 」
「 田舎もんの噂など気にすんな
昔のことは忘れたよ 」
「 またぁ ~ 健忘症ですかぁ ?
若年性とは 言えませんなぁ 年も年だし 」
「 うるさいよ !
女性に年の事言うのは タブーだろう
お前だって 立派な中年だろうが ! 」
「 あぁ はいはい 」
「 このあいだ 出かけたところで
絶世の 美少年を見つけたんだよ 」
「 こりませんなぁ ~
だいたい悪い結末が待ってますよぅ ~ 」
「 ビョルン・ヨーハン・アンドレセンみたいな
美少年なんだよ ! 」
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20191220/01/ff22302370/a3/73/j/o0280018014681692127.jpg?caw=800)
「 誰ですかぁ ? 知りませんよう 」
「 映画 『 ベニスに死す 』 に出てた
世界中の女子を虜にした男の子 」
「 そんな古そうな映画 見ませんよ
女王様 年寄りだから知ってるんでしょう ? 」
「 ばっかも~ん !
You Tubeで検索してみろや ! 」
「 安月給で 通信デバイスなんか買えませんよ ~
通信費も 払えっこないですよ~だ 」
「 人聞きの悪いこと言うな !
手当は払ってんだろうが ! 」
「 寒いから 薪代がかかるんですよ !
私めが 諸経費 みんな払ってるんですから 」
「 ちっ ! 細かいことを 」
「 えっ ? 」
「 いや なに そう そう
昔 王子を誘拐した時の手法は 見事だったねぇ 」
「 それはもう わたくしめ 自慢の薬物ですから
素人の王子なんぞ 赤子の手を ひねるがごとく 」
「 そうかい そうかい
今だって 腕は衰えてないんだろう? 」
「 当たり前ですよ ! きっぱり ! 」
「 じゃぁ もう一度その技を見せてもらいたいなぁ 」
「 そうですかぁ じゃぁ 一回だけですよぅ 」
「 よし 頼んだぞ カイ という男の子だ 」
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「 うひょひょ 一本釣り 大成功 」
「 よし よくやった 褒めてとらす 」
「 ありがたき幸せ
うまいこと 一人でソリ遊びしてたんですよ 」
「 うんうん 」
「 うしろから近づき 薬品をかがせました
まだ麻袋の中で眠ってますよ ~♪ 」
「 よし 開けて見せろ 」
「 あらよっと 」
「 どれどれ 」
< ゴソゴソ >
「 ば っ か も ~ ん !
これ 女の子じゃないか ! 」
「 えぇ~ ? この子 ソリしながら
『 カイ カイ 』 って言ってましたよ 」
「 バカか ! 」
「 ほら ピ◯チューだって
自分で ピカ◯ュー って言ってますよ ~ 」
「 ドアホ ! 男の子の名前を 呼んでたんだ
よく見ろ ちょっとボーイッシュだけど
女の子じゃないか ! 」
続 く