偽童話 氷の女王 1 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい

とある寒い国に

カイという少年と ゲルダという少女がいました、

二人はとても仲良しでした。


「 おい ! 」

「 は~い お呼びですか 女王様 ~ 」

「 ちと 頼み事があるんだが 」

「 はぁ 何でしょうか ? 

  どうせ ロクデモナイことでしょう ?

「 また 誘拐をしてほしいだけど 」

「 またですかぁ ? こりませんね

  昔それで 国を追われたでしょうが (偽作人魚姫)

  それで他所の国で悪さして(偽作白雪姫)

  また逃げる羽目に 流れ流れて 

  今は こ~んなに寒い国に来ちゃいましたよ~ 

  廃墟同然の 館に住みだして早、半年

  地元の村人たちも 気味悪がって

  我々を アレと氷の女王と 揶揄してますよ ~ 」

「 田舎もんの噂など気にすんな

  昔のことは忘れたよ 」

「 またぁ ~ 健忘症ですかぁ ?

  若年性とは 言えませんなぁ 年も年だし 」

「 うるさいよ !

  女性に年の事言うのは タブーだろう 

  お前だって 立派な中年だろうが ! 」

「 あぁ はいはい 」

「 このあいだ 出かけたところで

  絶世の 美少年を見つけたんだよ 」

「 こりませんなぁ ~

  だいたい悪い結末が待ってますよぅ ~ 」

「 ビョルン・ヨーハン・アンドレセンみたいな

  美少年なんだよ ! 」





「 誰ですかぁ ? 知りませんよう 」

「 映画 『 ベニスに死す 』 に出てた

  世界中の女子を虜にした男の子 」

「 そんな古そうな映画 見ませんよ 

  女王様 年寄りだから知ってるんでしょう ? 」

「 ばっかも~ん !
  
  You Tubeで検索してみろや ! 」

「 安月給で 通信デバイスなんか買えませんよ ~
  
  通信費も 払えっこないですよ~だ 」

「 人聞きの悪いこと言うな !

  手当は払ってんだろうが ! 」

「 寒いから 薪代がかかるんですよ !

  私めが 諸経費 みんな払ってるんですから 」

「 ちっ ! 細かいことを 」

「 えっ ? 」

「 いや なに そう そう 

  昔 王子を誘拐した時の手法は 見事だったねぇ 」

「 それはもう わたくしめ 自慢の薬物ですから

  素人の王子なんぞ 赤子の手を ひねるがごとく 」

「 そうかい そうかい 

  今だって 腕は衰えてないんだろう? 」

「 当たり前ですよ ! きっぱり ! 」

「 じゃぁ もう一度その技を見せてもらいたいなぁ 」

「 そうですかぁ じゃぁ 一回だけですよぅ 」

「 よし 頼んだぞ カイ という男の子だ 」


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「 うひょひょ 一本釣り 大成功 」

「 よし よくやった 褒めてとらす 」

「 ありがたき幸せ 

  うまいこと 一人でソリ遊びしてたんですよ 」

「 うんうん 」

「 うしろから近づき 薬品をかがせました

  まだ麻袋の中で眠ってますよ ~♪ 」

「 よし 開けて見せろ 」

「 あらよっと 」

「 どれどれ 」

< ゴソゴソ > 




「 ば っ か も ~ ん !

  これ 女の子じゃないか ! 」

「 えぇ~ ? この子 ソリしながら

『 カイ カイ 』 って言ってましたよ 」

「 バカか ! 」

「 ほら ピ◯チューだって

  自分で ピカ◯ュー って言ってますよ ~ 」

「 ドアホ ! 男の子の名前を 呼んでたんだ 

  よく見ろ ちょっとボーイッシュだけど

  女の子じゃないか ! 」


      続 く