偽作 白雪姫 11 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい

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「 王妃様 こちらが 私のフィアンセです 」

「 まぁあまあぁ なんて素敵なレディざんしょ ~ 」

  王妃は心にもない うすっぺらな お世辞を言い

  値踏みをするように 不躾にジロジロと眺めました


  艶やかな髪に 豪華な宝石に彩られたティアラ 

  大粒の真珠の 首飾り

  金銀で作られ 宝石に彩られた仮面

  すらりとした身体に 特別に仕立てられたであろう

  純白に輝く まばゆいばかりのドレス 

  ドレープが陰影を作り エレガントさが際立ちます

  そして 透き通るような 白く美しい肌


” ドレスは オートクチュールのようね

  物が良さそうだわ

  ず~いぶんと お金がかかっているようだねぇ

  他人が綺麗なカッコしてると 殺意をおぼえるわ

  隣国は ずいぶん潤っているようね

  その分 もっとパーティの食い物や

  デザートも 多くしてくれりゃいいのにねぇ

  こんな小娘に無駄な金使いやぁがって

  許せないよ !

  こんな国 早めに侵略して

  蹂躙しなければいけないねぇ ”

  王妃は 変態従者に耳打ちします

” 元経済学教授の立場として言わせていただきますと

  他人が金持ちだったり 儲けているのを見るのは

  精神的に良ろしくないですなぁ

  むっかむかと むかつきますなぁ

  許せませんな 腹立たしい限りですな

  チ ッ ! ”

  変態従者も 耳打ちで 舌打ちして答えました


「 ごきげんよう よく おいで頂きました 」

  金銀の輝く仮面の少女は 王妃に会釈しました
  
  王妃も 軽く会釈を返します

  
「 私が 隣国の美人の誉れ高い 新王妃です

  初めて お目にかかります 

  お~ほほほほっ ~ ♪ 」


「 本当に 初めてでしょうか ?

  おまけに 自分のこと美人って 

  慎み深さの かけらも無いのですね

  うふふふっ 」

「 あ~ら いやだ 

  一部の熱狂的マニアには 絶大な人気なのですよ 

  王妃様 王妃様と 握手会に長蛇の列

  ファンが引きも切らず 整理券を配布しないと 

  いけないくらいですの おっほほほっ ♪ 」

「 それは想像するだけで おぞましい事ですね 」 
  
「 なんなら 優先整理券をさし上げましょう

  ほんとは有料なんですよ お~ほほほほっ ♪ 」

「 けっこうです ! 

  まだ 私を おわかりになりませんか ? 」

「 ええぇ~っと ? 

  どこで お目にかかりましたかしら ? 

  いちいち どうでもいい女性の顔なんぞ 

  覚えちゃいないんですのよ 

  イケメンなら まだしも お~ほほほっ ♪ 」

「 そうとう ボケが始まっているようですね

  これで おわかりになるかしら ? 」


  優美な姿の少女は 輝く金銀の仮面を取りました

        続 く


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