「 鏡よ 鏡 」
「 はい 王妃様 」
「 ちょっと質問ですが 何故 お前は
鏡の裏に 身を潜ませるのですか ? 」
「 はぁ 話せば長くなるのですがぁ 」
「 かまいませんよ お話しなさい 」
「 その昔 わたくしめは
大学で経済学の教授をしていました
世に知られる エコノミストとして
認知されていました 」
「 教授だったのは 知っています
履歴書に 書いてありましたねぇ 」
「 ある日 女子のスカートの中を
手鏡で覗いたという 嫌疑をかけられまして 」
「 それで どうなりました ? 」
「 囚われの身になり 有罪判決が出て
大学はクビになり 身の置所がなく
流れ流れ 今や こんな所まで身を落としました 」
「 こんな所で 悪かったですね
私が拾ってやったんだから 感謝しなさいよ ! 」
「 はいはい それで有名人ゆえに 誹謗中傷され
あまつさえ世間から
” ミラー●ン ” と呼ばれたのが
トラウマになって 鏡の裏にいないと
落ち着かないのですぅ ~ 」
「 どっかの国で そんな話があったような
まぁ これで 私が鏡に話しかける事の
整合性が 一応つきましたね
お約束事だけど こういうとこ大事だからねぇ
普通 鏡が しゃべるわけ無いからねぇ
知らない人が見たら 頭おかしいと思われるから
合理的な説明が 欲しかったのよ
お~ほっほほほほ ♪
でっ 本当のところは 冤罪とか ? 」
「 いやぁ それの どこが悪いのか
さっぱり わからないんですよ
元経済学教授の わたくしめに言わせてもらえるならば
「 ふん ふん ? 」
「 みんな ケチ臭いですなぁ
おパンツぐらい ちょっと覗いたって
別に 減るもんじゃなし うひひひ ♪ 」
「 。。。。。。 」
「 極東のどっかの国でも ある大臣が
昔 女性物の おパンツを盗んだとか噂されましたが
わたくしめは 彼の行為を 断固支持しますよ
な ぜ か っ て ~?
だって そこに おパンツがあるからです
例え ヤバい場所であろうとも
変態 犯罪者と 呼ばれて仕事クビになっても
捕まって 家族が泣いても
覗く ! なんとしても 覗く !
神秘の秘境を目指す 冒険家と同じです
それこそが 男のロマンですからなぁ
うひひひひぃ ~♪ 」
「 お前は 見事に 品性下劣な 女の敵ですね 」
「 お褒めの言葉を 賜りまして 恐れいります 」
「 はっ ! もしや私の
おパンツにも興味があるんじゃぁ ? 」
「 いやぁ おばさん臭いのは けっこうです
キ ッ パ リ ! 」
< ぼ こ ! >
「 あぁ殴りましたねぇぇえ !
オヤジにだって殴られた事ないのにぃ 」
< ボコ ボコ ボコ ! >
「 あぁぁ また 今回もグーパンチで
ブラピに似た ハンサムな顔がぁぁ
崩れるぅぅぅ、、、 」
「 嘘つくな !
類人猿そのものだろが ! 」
「 王妃様の イジワル 言わなきゃ分からないでしょうが ~ 」
「 ところで その後 白雪を発見できたのですか ? 」
「 はい 王妃様 ~ 七つの山を超えた地に
逃げ延びていたようですぅ 」
「 刺客は 放ったのですね ? 」
「 もちろんです しかしながら
七人の屈強な 小さな男たちに守られているようで
返り討ちにあってしまいました 」
「 どうなったのですか ? 」
「 特殊な技で 投げ飛ばされ
手足の靭帯を傷めつけられ
暗殺に使う予定の紐で縛られ
毒を塗った櫛を髪に飾られ あばらを折られ
首も へし折られそうになりながら
かろうじて逃げ帰りました かなりの重傷でした 」
「 いったい その男たちは何者なのですか ? 」
「 どうやら もともとは職業格闘家だったらしいのです 」
「 格闘家ぁ ? 」
「 王妃様が 毛嫌いして禁止された
フリークスのレスリングを していた連中です 」
「 まぁ あの飛んだりはねたりのミゼットレスラー連中ですか 」
「 ショービジネスとはいえ 格闘家としての実力は
小さい体でも 侮ることができません 」
「 ふ ~ ん 」
「 レスラーのトレーニングは常人の域を超えています
彼らのプロレス技を 素人相手に屋外で使われると
文字どおり 必殺技になりますよ
ちっちゃいからと 見た目で判断してはいけませんな
とんでもない連中を 味方につけたものです 」
「 ふ ん !
私は 異形の者は 嫌いなの
差別が大好き 人種差別も大好きで
” レイシスト ” って 呼ばれて うっとり ♪
私の持つ崇高な ” 差別思想 ” が誇らしいわ
人間が獲得した 自己と他者との異差を確認する行為
大昔から 遥か未来まで 人による人への差別は
終わることが 無いのよ ~!
極東の島国でも大量発生してるそうじゃない?
レイシストは一匹見つけたら
100匹以上は いるのよ !
レイシストは ゴキブリ並に
次々に 生まれるのよ ~!
何故って 人が人を差別することが
人を人足らしめるからなのよぉぉおおお~! 」
「 やれやれ 王妃様も相当な人格破綻者ですなぁ
差別主義者が権力の座を上り詰め
独裁者になると きっと恐ろしいでしょうなぁ
民族浄化とか 言い出して
ジェノサイドを やりかねないですなぁ
社会の いや 人類の敵ですなぁ
極東の島国の人たちも 気をつけないといけないかもぉ~
まずは経済弱者から 駆除されてしまいますよう~
うっひぃひぃひひひ ♪ 」
「 あぁ うれしいわ ♪ 人類の敵だなんて
もっと言いなさい 褒めなさい 称えなさい ~! 」
「 実は わたくしめも そうなんですよ
他人を誹謗中傷したり貶めたり差別を助長したり
差別ってなんて楽しいんでしょう ~♪
うひっひひひひ ♪ 」
「 お前も 変態の上 レイシストなのですね
存在自体が ゲスで 醜悪で おぞましいですね
お~ほほほほっ ♪ 」
「 過分な お褒めの言葉を賜り わたくしめ
嬉しゅうございますぅぅ うひうひひっ ♪ 」
「 全ての人類が 互いに差別し合う世界
なんて素晴らしく美しい夢のような世界でしょう
世界中が 血の薔薇で 埋め尽くされるのよ
お~ほっほほほほほ ♪」
「 うひゃひゃひゃ うひゃひゃひゃ ♪ 」
「 しかし 白雪は 男をたぶらかす手腕には
長けているようね
なんて 嫌らしくて 恥知らずで
破廉恥で 淫らな 小娘なのかしら
ならば 正攻法でなく
物売りを装って 毒殺しておしまい 」
「 王妃さま お得意の 卑怯で卑劣な手ですね 」
「 白雪の苦しむ姿を 想像するだけで
ウキウキするわねぇ ♪ 」
「 王妃様は サディストの鏡ですなぁ
ものすごく性格が歪んでますなぁ うひひひ 」
「 またぁ お世辞を言ってぇ 嬉しいじゃないか ~♪
ほんとに お前は口が うまいんだからぁ 」
「 王妃様は ほんとに 無慈悲で 冷酷で
救いがたい お ん な ♪ 」
「 そうだろうさ 昔から 小悪魔的 魅力的な女って
そういうものなんだよ お~ほほほほっ ♪ 」
「 それじゃぁ何か 白雪姫の好物に毒を入れましょうかねぇ 」
「 白雪は りんごが とても好きだったわねぇ
おほほほほっ ♪ 」
「 はっ しかるべく
今 りんごの美味しい季節ですからねぇ
うひひひひひ ♪ 」
「 お楽しみは これからよ おほほほほっ ♪ 」
「 ほんと これ読んでない人は 損してますなぁ
わぁはははっ ♪ 」
「 そうよねぇ でもねぇ
ほとんど 読む人いないんだけどねぇ
お~ほほほっ ♪ 」
「 なるほど 王妃様が絡む お話は不人気ですなぁ
だから こんなヒドイ話でも平気なんですね
いぃひひひひぃ ♪ 」
「 お前も 加担しているのよ
きっと 変態の お前のせいよ
変態は どこの国でも不人気なのよ
おほほほほっ ♪ 」
「 まぁ せいぜい頑張って グロテクスな話を盛り上げましょう
うっひひひひっ ♪ 」
「 もともと グリム童話は残酷な お話なのさ
今後の血も凍るような 残酷な展開が楽しみだねぇ
お~ほほほほっ ♪ 」
「 今の季節には ちょうどよいですなぁ
嫌~な脇汗を たっぷりかけますよねぇ
びしょびしょで気持ち悪くなりますなぁ
うっひひひひひひぃぃ ♪ 」
続 く