偽作 不思議の国のアリス 24 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい

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「 ところで 今日は 何日 ? 」

  と 帽子屋が アリスに聞きます。

  ポケットから 時計を取り出して 困ったように見ながら、

  耳に当てています。

  アリスは 少し考えて言いました。


「 21日よ 」


「 あぁ 2日も 違ってるぅ ! 」

  と 帽子屋は ため息をつきました。

  そして、怒って三月うさぎを 睨めつけました。

  三月うさぎは 時計を受け取ると、それを眺めます。

  それから時計を 自分のお茶にチャプチャプ浸してから、

  引き上げ、また眺めました。

  アリスは、時計を怪訝そうな顔で眺めていました。


「 ずいぶん 変わった時計ねぇ、

  日付は分かるけど、今が何時なのか わからないなんて 」


「 時間が わかっても しょうがないのさ 」

  と 帽子屋。


「 君の時計は 今が何年か わかるのかぃ ? 」


「 あたしの時計は 普通のアナログ表示、

  超高級アナログじゃないから 年の表示はないの 」

  でも、年って一年間 ずっと同じままだから 

  特に表示しなくていいのよ 」


「 私の場合も まさに同じなのだ 」

  と帽子屋。


  アリスには 帽子屋の言ったことの意味が通じません。

 
「 どうも よく分からないわ ?

  詳しく説明して欲しいものだわ 」

  と アリス。


「 こいつ、まだ寝てるな、

  起きろよ お~い ! ヤマネ ~! 」

  と 帽子屋は、ヤマネの鼻ヅラに 

  ティカップの 熱いお茶をかけました。


「 あ っ ち ぃ ぃ い い ~! 」


   ヤマネは慌てて顔を拭い、言いました。


「 いや、まったく同感だ。

  おれも そう言おうと思ってたとこなんだ、

  でも何で 鼻が熱いんだ ? 」


  アリスは うんざりして ため息をつきました。

「 あなた方は いつまでも お茶かっくらってないで

  もう少し有効に時間をつかったら ? 」


「 私のように時間と仲が良けりゃ、

  有効に使うなんて言い方はせんよ 」


「 なんのことやら さっぱりわからないわ 」

  とアリス。


「 そりゃ 君にゃ わからないだろうさ、

  どうせ、時間と会話をしたこともないのだろう ? 」

  と 帽子屋。


「 な い わ よ !

  いったい それ どこのポエム的表現なのよ !? 」


「 人生は 時間に寄り添う 

  一遍の詩や 音楽のようなものなのだ 」

  と 帽子屋。


「 音楽の授業では、音符で音の時間を きざむわよ、

  2ビート、4ビート、8ビート、16ビート 」

  と アリス。


「 そうなんだ そのせいなんだ 」

  と 帽子屋。

「 音符だって 拍子だって 

  変な具合に 刻まれたくないんだろう 」

  と 3月うさぎ。


「 この間 ハートの女王様主催の大コンサートがあって、

  私も歌うことになったのだよ。


『 ♪ ギラギラ光る 恐ろし星よ
 
   お空の上から 人を呪う ~ 

   ギラギラ光る  恐ろし悪魔星 ♪ 』」

 
「 ♪ ギラギラ ギラギラ ギラギラ ♪ 」

  ヤマネが 調子はずれの 合いの手を入れます。


「 知ってるだろ、この歌 ? 」


「 なんか変ね 違うのは、聞いたことあるかも 」

  と アリス。


「 それで私が 歌の一番も歌わないうちに、

  女王が、ぎゃあぎゃあ 言いだしてさ、

『 こやつ、拍子の時間をちょん切って 

  バラバラにしておるではないか !

  噂の 偽装作曲家か ? 

  わらわを 謀ろうとするものは 即刻死罪、

  首を ちょん切れ ! 』 ってね 」


「 まぁ なんて 残酷な !

  首を切られたら いくら食事しても、

  たくさん お茶を飲んでも、

  胃袋に 食べ物、飲み物が行かないから

  満腹にならないわねぇ ~ 

  でも ダイエットにはイイのかしらぁ ? 」

  と 的外れで不謹慎な事を言うアリス。


「 で、それからず~っと、王女様の時間の呪いで、

  今じゃ ず~っと ティータイムなのさ 」


「 なんと いうことでしょう ! 

  あなた方は 王女の呪いをかけられているのね、

  それで、ティーカップが こんなに出てるのね ?

  それは 某有名アニメの人達が

  いつまでも歳をとらないのと似たようなものなのかしら ? 」 

  アリスは 妖怪のせいとか、呪いという言葉が好きで

  物理的にどうなっているかとか 科学的な検証もしないで

  テキトウに理解しました。


「 正 解 ! 」

  と 帽子屋。


「 いつでもティータイムで、カップを洗うヒマもないのだよ 」


「 じゃあ、どんどんカップが増えてくるわけ ? 」

  と アリス。

 
「 正 解 ! 

  使い終わると また増えるのさ 」

  と 帽子屋。


「 ティー・パーティの無限地獄なのね、

  お茶っ腹になるわねぇ、やれやれ、

  食事の時間もほしいわよねぇ 」

  と 他人ごとのアリス。


「 そろそろ話題を変えよう、もう飽きてきたよ。

  この お嬢ちゃんなら 我々の知的好奇心を満足させる

  レベルの高い 格調高い 意識高い系の

  すべらないオモシロ話をしてくれるはず 」


  話のハードルを上げるような事を 三月うさぎが言いました。


「 さあ 頼むよ 愉快でワクワクする、奇想天外で、

  誰も聞いたことのないような オモシロイ話 」

  と 帽子屋。



        続 く