、
「 うぉぉおお~ なんじゃこりゃぁああ ~!! 」
アリスは 叫びました。
「 うひゃぁぁああ ~ ! 進撃の巨人かぁぁああ ~ !
この世で一番 大きな望遠鏡みたいに、
ぐんぐん 足が伸びてるぅぅう
もう手が届かないところに行ってしまうわ、
我が愛しき足よ、さよなら ~! 」
謎のケーキを食べて しばらくすると、
アリスの足が どんどん伸び始めたのです。
「 あぁ、かわいそうな あたしの足
これから誰が 靴やストッキングを
履かせるんだろう ?
あたしには 絶対無理なのは確かね、
右足左足 あなたたちには
あたし かまってあげられないの、
これからは あたしの足自身の
自己責任 自助努力よ、
でも そこそこには 遠くから
生ぬるく優しく 見守ってあげるわ 」
と アリスは言いました。
「 何故ならば そうしないと、
機嫌を損ねて あたしの行きたい方向に
歩いてくれないかもしれないからね、
こんなに長い足だと 脳の意思決定が届くのに
相当時間が かかりそうなんだもの、
そうねえぇ クリスマスには 長い足に合う
新しいブーツを買わなくてはいけないわね
おまけに 宅配便で送らなきゃ 」
アリスは計画を練りはじめました。
「 ブーツは ネットショップで買うとしても、
でも変ねぇ、自分の足に 贈り物をするなんて。
それに 宛名書きも おかしなものになるわ。
『 暖炉の金網アベニュー じゅうたんストリート
1番地の1 アリスの右足様へ
( アリスより 自己愛と自己憐憫を込めて アリスの足へ
メリークリスマス ♪ ) 』 何てね 」
<< ゴ ツ ン ! >>
アリスは頭に 衝撃を感じました。
「 いてぇなぁ おい誰だ !
あたしの頭を 叩いたのはぁぁぁああ ~ ! 」
しかし アリスは 誰かに殴られたのではなく、
身長三メートルになっていたのです。
廊下の天井に アリスの頭が ぶつかったのでした。
「 なんだ あたしが でかくなったのかぁ ~ 、
おぉ 鍵に手が届くじゃん ♪ 」
アリスは 小さな金色の鍵を手に取って、
屈んだ体勢で お庭への扉へ急ぎました。
<< ガ チ ャ >>
「 よっしゃぁ~ 扉が開いたわ ♪ 」
しかし 扉は 開けることが出来ても
3メートルの巨体では 小さな扉を通りぬけ出来ません。
「 これじゃ ダメじゃん !
クソゲーの 行ったり来たりの ダンジョンかよ !
もう散々 ゲームでやったわよ。
こうなりゃ 力ずくだ うぉぉりゃぁああ ~! 」
腹立ちまぎれに 壁を殴りつけ 蹴りつけましたが、
背が伸びても所詮は少女の筋力です、びくともしません。
寝そべって片目で お庭を覗くことしかできません。
通り抜けなんて まったく絶望的です。
アリスは 泣き出しました。
「 うぇぇえ~ん ! びゃぁぁぁあああ ~!
ぐぇぇひぃいいい~ん ! ぎゃぁぁあああん~! 」
まるでどこかの書類送検 起訴され
懲役3年を求刑された お笑い元市議のようです。
しかしアリスの自意識は
「 恥を知りなさい 」
と 自分に言いました。
「 そんな アンドレ・ザ・ジャイアントより大きな図体をして、
いつまでも ビービー泣いてばかり。
今すぐ 泣き止みなさい、いいわね ! 」
でもアリスは泣きやまず 涙を何リットルも流したので、
周りに 大きな池ができてしまいました。
深さ10センチくらいで 廊下の半ばまで続いています。
すると、遠くから
< ペタ ペタ > という足音が聞こえたので、
あわてて涙をふいて、何者か見ようとしました。
それは例のウサギが 生意気にも上等な服に着替えて
もどって来るところでした。
片手には 白い子ヤギ皮の手ぶくろ、
もう片方の手には大きな扇子を持っていました。
「 馬子にも衣装というけど、ウサギに衣装とはねぇ ~
いっそ 皮を剥いでやりたいわ、
マフラーにするのはどうかしら ? 」
ウサギは 急いで走リながら、
「 あぁ、公爵夫人がぁぁ、公爵夫人がぁぁあ ~!
待たせたりしたら、情け容赦なんかありゃしないぃぃい ~! 」
と言っています。
アリスのほうは、もう誰でもいいから助けてほしい気分です。
そこでウサギが近くに来たときに、
小さな声で 話しかけしました。
「 あのぉ、お願いしたいんだけどぉ ~ 」
「 う ひ ゃ ぁ ~!! 」
ウサギは驚いて 子ヤギ皮の手ぶくろと扇子を落として
文字通り 脱兎のごとく全速力で
暗闇の中へと かけ去ってしまいました。
アリスは 扇子と手ぶくろを拾って、
扇子でパタパタ扇ぎながら しゃべり続けました。
「 どうなってんの ! 今日は何もかも 変だわ !
昨日は いつも通り
当たり前の日常だったような気がするのに、
あたし、夜の間に変わっちゃったのかしら ?
朝起きた時には どうだったっけ ?
何時に起きたんだっけ ?
何か 変わったことあったのかしら ?
変ね、よく思い出せないわぁ ?
何だか ちょっと変わった気分だったような気もするし。
でも、同じじゃないんなら、今のあたしは 誰 ?
誰かに変わっちゃったのかしら ?
こんなに ギネス級に バカでかいし 」
そしてアリスは、でかい人たちを思いうかべて、
その中の誰かに変わってしまったかどうかを考えてみました。
「 アンドレ・ザ・ジャイアント ジャイアント・馬場
ハルク・ホーガン ジャイアント・シルバ
ジャイアント・シン ビッグショー ビッグボスマン
エル・ヒガンテ ジ・アンダーティカー スカイ・ハイ・リー
ワンマン・ギャング バリー・ウィンダム
ビッグジョン・スタッド シッド・ビシャス
あれ ? よく考えれば 皆オトコのレスラーじゃん !
ついつい プロレスラブが発露されちゃうわ うふっ
じゃぁ 知ってたことを覚えてるか、たしかめてみようっと。
円周率は 、、、
3,1415926535 8979323846 2643383279 5028841971
6939937510 5820974944 5923078164 0628620899
8628034825 3421170679 8214808651 3282306647
5058223172 5359408128 4811174502 8410270193
0938446095 8521105559 6446229489 5493038196
4428810975 6659334461 2847564823 3786783165
2712019091 4564856692 3460348610 4543266482
1339360726 0249141273 7245870066 0631558817
4881520920 9628292540 9171536436 7892590360
0113305305 4882046652 1384146951 9415116094
3305727036 5759591953 0921861173 8193261179
3105118548 0744623799 6274956735 1885752724
8912279381 8301194912 9833673362 4406566430
8602139494 6395224737 1907021798 6094370277
0539217176 2931767523 8467481846 7669405132
0005681271 4526356082 7785771342 7577896091
7363717872 1468440901 2249534301 4654958537
1050792279 6892589235 4201995611 2129021960
8640344181 5981362977 4771309960 5187072113
4999999837 2978049951 0597317328 1609631859
5024459455 3469083026 4252230825 3344685035
2619311881 7101000313 7838752886 5875332083
8142061717 7669147303 5982534904 2875546873
1159562863 8823537875 9375195778 1857780532
1712268066 1300192787 6611195909 2164201989 、、、
え~と、え~と、 あれぇ、あれぇぇえ ?、
円周率って いつまでたっても終わらないのね、
世の中には 割り切れないことがあるのね、へんなの。
じゃぁ 次は地理よ えぇっと 、、、
ロンドンは イギリスの首都で、
ローマは イタリアの首都で、
パリは 、、、、、
アメリカのテキサス州ラマー郡の郡庁所在地っと。
よし次は 歌を歌ってみようかな 」
アリスは、授業のように 膝の上で手を組んで
大きな声で歌い始めましたが、
声が しゃがれて 叫ぶようで、
言葉使いも なんだか前とは ちがっていました、
いったい 何を歌ったのでしょう ?
アリスが歌ったのは * アリス・クーパーの
「 POISON 」 を含むヒットメドレーでした。
続 く
* アリス・クーパー( Alice Cooper, 1948年2月4日 - )は、
アメリカの 男性ロックミュージシャン。
ミシガン州デトロイト出身、
出生名はヴィンセント・ファーニア( Vincent Furnier )
ウィキペディアより