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王子たちが お城の玄関口に出ると 馬車が待機していました
事情を知らない係の者は 王子たちの姿を見ると
反射的にドアを開け うやうやしくレディファーストで
人魚姫を 馬車に乗せました
” プリンセスが 僕たちを誘拐したことを
お城の者達は 知らないようだな ”
王子は 考えました
” それなら 好都合だ ”
「 自分で 馬車を走らせたいのだが いいかな ? 」
「 どうぞ どうぞ 」
王子は馬車の御者を下ろし
自分で馬を操り 馬車を出しました
「 いってらっしゃいませ 」
御者と係の者は 並んで手を振り見送りました
お城の門に さしかかりました
王子は にこやかに声をかけました
「 やぁ いい天気だねぇ 警備 ご苦労様 」
門番の警備兵達が 最敬礼で見送りました
王子の馬車は ゆうゆうと お城を出ていきました
遅れて ドタバタと変態従者と走ってきたプリンセスは
御者と馬車の係に 叫びました
「 王子たちは ど~したぁぁああああ~! 」
と プリンセス
「 だだいま お出かけになられました 」
と 馬車係
「 なんで行かせた~! ちっくしょうめぇぇええ ~! ]
「 お忍びで 遊びに来られたのではないのですか ? 」
と 御者
「 ちっ ! あぁ もういい 早く他の馬車を用意しろ ~! 」
「 今 他の馬車は整備に入っております 」
と 馬車係
「 何でだよ ~! 」
「 先日 パレードに使いましたので
定期整備を 前倒しでやっています 」
「 あぁぁ もぉぉおおお ~! 」
「 おぉ ! プリンセス様 一台ありますよ ~!
荷馬車で ずいぶん古いですけど 」
と 変態従者
「 かまうもんか さあ乗れ ! 」
と プリンセスが 荷馬車に駆け寄りました
「 じゃあ 荷台に失礼します 」
「 ばかも~ん !
お前は御者席だ ! 早く出せ ~! 」
プリンセスと従者は 荷馬車に乗り込みました
「 あぁあ ~!
それは 整備が 後回しになっていた 荷馬車
飛ばすと あぶないですぞ ~ ! 」
馬車係は 慌てて 叫びましたが
プリンセスの 耳には 届きませんんでした
「 プリンセス様 ~!
なんか さわいでますよ ~! 」
「 知るか !
早く追いかけろ ボケカス ! 」
「 王子は ど~したぁ ~~! 」
プリンセスが 門番に 聞きました
「 お出かけになりましたよ 感じの良い方ですねぇ 」
「 またかよ ~! この城には バカしかいないのか ~! 」
「 しかたないですなぁ ~
秘密の悪事の裏事情を みんな知りませんからねぇ
まさか 他国の王子を 拉致して来たなんてねぇ
それも プリンセス様の命令で
常識で考えて そんな事あるわきゃないですから
うっひひひっ ♪ 」
「 お前が 非常識なこと 発案して 実行したんだろう ! 」
「 あぁあっ わたくしめに責任転嫁してるぅ ~
元はといえば プリンセス様が 王子に
ネトネトと 執着してたからじゃぁないですかぁ ~
なぁ~んて 悪い女だことぉ うっひひひひぃ ♪ 」
< ぼ こ ! >
「 あぁっ 殴りましたね
親父にだって 殴られたこと ないのにぃ ~ 」
< ぼこ ぼこ ! >
「 あぁぁっ !
おふくろにだって 殴られたこと無いのにぃ ~ 」
< ぼこ ぼこ ぼこ ! >
「 あぁぁぁっ! おじいちゃんにも 、、、、 」
続 く