、
近衛兵の手が 王子の肩を掴みました
「 あぁ これまでか ! 」
王子は思いました
その時 人魚姫は後ろを振り向き
髪にしていた フリル付きのリボンをほどき
追いつきそうな 近衛兵の足元めがけ
王子の背中越しに 一瞬早く投げ落としました
シルク製で 摩擦の少ない上物でした
「 捕まえたぞ ~! 」
王子の肩に 手をかけた近衛兵が叫んだ途端
ただでさえ 滑りやすい大理石の床の上
人魚姫の落としたリボンを 踏みつけました
< ずるっ ! >
「 うっわぁぁああ ~ ! 」
近衛兵の靴は 滑り
巨体が 前方につんのめり
彼は 顔面から派手に転びました
< ど す ~~ ん ! >
「 ぐ え ぇ っ ! 」
転んだ近衛兵に 後続の近衛兵は避けきれず
「 うわぁわ どひゃぁ ! 」
「 うひゃぁ ! 」
「 ひぇぇえええ ! 」
< どた ばた どすん どすん >
つまずき 多重衝突を起こし 覆い重なるように倒れました
プロレスのボデイプレスや フライングヘッドバッド状態になり
皆 ダメージを負いました
しかし なぜ 人魚姫は近衛兵に対し
飛び道具の 超音波攻撃をしなかったのでしょう ?
それは 超音波攻撃がたいへん危険な能力なので
人魚の世界では 他者を傷つけぬように
戒められていたからなのです
彼女は 直接人に使うことは出来ませんでした
倒れ崩れ落ち 仰向けに倒れた大男の近衛兵たちが
遅れてきたプリンセスと変態従者の 行く手を塞ぎます
「 あぁ ~! 邪魔だ ~!
どけ ~! 穀潰しどもめ !
図体ばかりでかくて この 役立たずが ~! 」
と プリンセス
「 ごめんね 踏んずけていくよ
あらよっ どっこいしょっと 」
と 変態従者
「 ぐぇええ ! 」
「 ぎゃぁあ ~! ピンヒールが 食い込んでますぅうう ! 」
「 そこは 踏んじゃ ダメ~ ! 」
「 あぁ 潰れる ~ ! 」
< グシャ ! グシャ ! グシャ ! グシャ ! >
二人は 思い切り 近衛兵たちの
顔面や みぞおちや 急所を踏みつけて行きました
続 く