偽作不思議の国のアリス 32 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい

 

   
  ふと アリスは空を仰ぎました。

  すると宙に変なものが 浮いているのに気がつきました。


「 おぉっ ! UFOか ?  
 
  ファンタジィーから SFに 大胆にチェンジか ? 」


  最初は ぼやけていて判別がでませんでしたが、

  しばらくすると、それがニタリニタリと笑う

  チェシャ猫の顔だとわかりました。


「 あらら、なんだ、チェシャ猫じゃないの 」


「 やぁ どうだい ? 

  まだ 君の首は つながっているようだね 」
 

「 おかげさまでね、

  でも一度 首切りを宣告されたわ 」


「 ふ~ん よく生き延びてるねぇ 」


「 王様が とりなしてくれたの 」


「 それは良かったね、

『 首がつながった 』 ということだね 」


「 そして クロケーのゲームに誘われたの 」


「 女王のゲームは 命がけだよね ふふふ ♪ 」
 

  アリスはフラミンゴを地面において、

  試合の様子を話しました。


「 みんな、血の気が多いのかケンカばかりで、

  やかましいったらありゃしないわ 」


「 はっは 」


「 ぜ~んぜん、ルールに則ってゲームしてないと思うわ 」


「 ひっひ 」

 
「 ルールが テキトーなのかもね、

  ここの ローカル・ルールなのかしら ? 」

  と アリスは、愚痴りました。


「 ふっふ 」


「 それとも、誰もルールを守ってないのか どちらだわ 」


「 へっへ 」

 
「 それに、道具が生きてる動物だったりするから、

  も~う,めんどくさいのよ 」


「 ほっほ 」


「 あたしが 玉をくぐらせるはずの兵士のアーチは、

  勝手にサボって 定位置を離れ、

  クロケー場の端の方を行ったり来たりしていてるし 」


「 ぷっぷ 」


「 それに あたしの玉のアナグマったら、

  女王様の玉のアナグマに当てる前に

  敵前逃走しちゃったんだから ! 」


「 君は 女王様を 気にいったかい ? 」 

  と チェシャ猫は聞きました。


「 う~ん それは 、、、 」

  と アリス。

  
  気づくと、女王が すぐ後ろで聞き耳を立てていました。


「 それは 、、、 

  もう 女王様は クロケーが お上手で、

  ぶっちぎりでゲームに勝つに決まってるわ、

  試合を最後まで やらなくてもいいくらい 圧倒的よ 」

  と 慌ててアリスは おべんちゃらを言いました。


「 むふふふ ♪ 」


  女王は、満足そうに微笑んで その場を離れていきました。


「 結構単純で、御し易いかもしれないわねぇ 」

  と アリスは チェシャ猫に言いました。


「 誰ぞと 話をしておるのかな ? 」

  と 今度は王が アリスの側に寄り尋ねます。


「 あら 王様、

  あたし、チェシャ猫と お話をしていたところです 」

  と アリス。
  

「 首だけが空中に浮かんでおるのう、

  この猫も 妃に 首を刎ねられたのかのう ?

  でも、落ちてこないのう ? 」
  

  王はチェシャ猫の頭を とても不思議そうに眺めました。


「 ご紹介いたしますわ、

  彼は、あたしのお友だちの チェシャ猫なんですよ 」
 

「 どうも 不思議な猫じゃのう、 

  しかし、強く望むのであれば、

  我が手に接吻する栄誉を与えてつかわす、

  苦しゅうないぞ、 

  ブチッと して良いのじゃ うほほほほほ ♪ 」

  と 王が言いました。


「 けっこう 」 と チェシャ猫。

「 何じゃ ? 」

「 結構 毛たらけ 」

「 何じゃ ? 」

「 結構 毛だらけ猫 灰だらけ 」

「 何じゃ ? 」

「 結構毛だらけ 猫灰だらけ おしりの周りは◆▽だらけ 」

「 うぅ~ん ? 

  この猫は 何を申しておるのじゃ ? 」


「 えぇっと チェシャ猫は 猫の分際では恐れ多くてと、

  どうやら 遠慮しているようです 」 


「 その割には 大口を開けて、

  たくさんの歯を むき出しにして、

  ニタリ ニタリと 笑っておるのう、

  まるで 人を小馬鹿にしているかのようじゃ 」


「 チェシャ猫は いつもそうなんですよ 」


「 そう言われても初対面じゃ、気になるのう、

  コラ、わしを そんな卑しむような目で見るな ! 」

  と王は、アリスの後ろに隠れてしまいました。


「 猫だって 王様を見るくらいはできる。

  好奇心は 猫も殺す。とか、
  
  どっかで そんな事を読んだことがあります、

  どんな本だか忘れましたが 」

  と アリス。


「 だが 王を笑うのはイカンぞ、

  一応 第一権力者じゃ、

  王が笑われておると、国の権威が失墜してしまうのじゃ。

  残虐な首切りテロリストが跋扈するかも知れぬ。

  どこかの国のように クーデターで政権が変わり、

  他国へ併合されてしまうやも知れないのだ、

  明日は我が身だ、それ故、チェシャ猫は、

  ここにいること まかりならん ! 」

  と 王。

  でも チェシャ猫は意に介さず、 

  そのままニタニタ笑って 王様を眺めています。

  
  女王が 通りかかりました。

「 妃よ ! あの猫を どうにかしてもらえんかのう ? 」


  女王の 問題解決の手段は 一つです。


「 首を ちょん切れ ~! 」

  女王は チェシャ猫を見もせずに叫びました。


「 あのぅ チェシャ猫は今の状態で 顔だけで 

  首を刎ねる事は 出来ないと思うんですけど 」

  と アリス。


「 構うものか ~! 首を ちょん切れ ~!! 」

  と 女王。


「 まぁ とりあえず よきにはからえ 」

  と 王は、テキト~に言うだけなのでした。



      続 く