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アリスと白ウサギの話は 中断されてしまいました。
皆が 大急ぎでダタバタ駈けだし、
あちこちで 出会い頭の衝突が起きています。
しかし皆 ペラペラの薄っぺらなので 大した怪我は無さそうです。
やがて、皆 それぞれの位置について試合開始です。
「 こんな 変なクロケー場は 今まで見たこともないわ !
そこいらが うねったり 溝だったり、
ちゃんと グランドキーパー雇えちゅうの ! 」
玉は 生きたアナグマでした、
アナグマを打つマレットは 生きたフラミンゴです、
そして兵士たちが 体を曲げて四つんばいになって、
クロケーのゲートをしているのです。
アリスもゲームに参加しました、
見たことがあるのでルールーは だいたい知っていました。
アリスは、フラミンゴの体を 腕の下に押さえつけました、
フラミンゴの首を伸ばさせて、
頭で玉代わりのアナグマを叩こうとしました。
フラミンゴは 首をねじって、アリスの顔を睨みます。
「 お い !
何だったって オイラの頭を
マレットの代わりに使うんだよ ! 」
「 だって ここのローカル・ルールでは そうみたいよ 」
「 明らかな動物虐待だと思うぞ !
C~シェパ~ドが 黙っちゃいないぞ ! 」
「 大丈夫、彼らは海洋生物の
イルカやクジラしか相手にしないから、
あなたは 希少生物でもないし、
せいぜい 脳震盪起こさないよう頑張ってね 」
不遜なアリスは フラミンゴを フルスイングで ふらみんご。
< ぶ~ん ! >
< すこっ ! >
頭をアライグマに ぶつけられてはたまらないと、
フラミンゴは 首を曲げ頭を動かします。
「 動いちゃ ダメじゃん ! 」
「 オイラの身にもなってくれよ ~ 」
「 勝負に 私情は禁物よ ! ちゃ~しゅ~め~ん ! 」
アリスは何回も何回も、フラミンゴの頭でスイングしました、
さすがに頭に血が昇ったのか フラミンゴはぐったりしました。
「 良し、 今が チャンス ! 」
アリスは渾身の力を込め フラミンゴの頭を振りました。
< すこっ >
しかし、時すでに遅く、アナグマが動き出してしまいました。
「 ちょいと ! アナグマさん、 動かないでよ~! 」
アリスは 怒りました。
「 わしは 丸まっているのに飽きてしまったよ 」
と アナグマ。
四つんばいになっていた兵士たちも、
起き上がり、クロケー場を勝手に、
ウロチョロ動きまわっています。
アリスは、これでゲームが成立するものなのか考えました。
参加者たちは、自分の順番を待つこと無く、
勝手に玉代わりのアナグマを打っては、
わぁわぁぶぅぶぅと言い争い、
アナグマを取り合いケンカしてます。
女王は その混乱に怒って、あちこち駆けまわっては、
「 あ奴の首を ちょん切れ ! 」
「 こ奴の首を ちょん切れ ! 」
「 誰の首でもいいから ちょん切れ ! 」
と、さかんに わめいています。
アリスは 少しブルーな気持ちになりました。
「 お魚だって 尾頭付きが ありがたがられるのにねぇ 」
感情のままに 首を刎ねる事は、
あまり、褒められたことではありません。
「 首を切られたら 失くさないように、
おでこにでも 名前を書いておかないといけないかも、
でも、拾われたら 自分の住所を言えばいいのかしら ? 」
と アリス。
女王が首切りを命じる理由を考えてみました。
「 何で、そんなに首切りが大好きなのよ ?
まだ 生き残っているほうが不思議ってもんだわ
女王は、ドクロを集めて、
コレクションしてるんじゃないでしょうね
まさか首刈り族かぁ ? 」
続 く