偽作 最後の一葉 2 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい




              開け放たれた 窓辺で 

            ジョンジーは 蔦を見ていた

          もう 本物の葉は 残っていない 

         老画家の描いた 葉 の絵だけが 

               壁に 残っている




               木枯らしが 吹き 

             ジョンジーの 目の前に

            一枚の 枯れ葉が 舞った

            塞いでいる ジョンジーに

              まるで 寄り添うように

 

       
            何処からか 声が聞こえた


    ”  私は 老いさらばえて 枯れ落ちてしまった  ”


        一枚の 枯葉は 老画家に姿を変えた

             彼は 静かに語りかける



          ”  しかし 最後に 生命を

             燃やし尽くすことができた 

           明々と 輝かすことができたのだ

          だから 君は 気に病むことはない 

       君自身も 生命の炎を 燃え上がらせなさい

          誰のためでもない 自分自身のために

            それだけが 私の 望みなのだ

             もう 嘆かなくてもよいのだよ

        涙よりも 微笑みで 私を 見送っておくれ
     
       それこそが 私の 生きた 証になるのだよ 


               さぁ 笑っておくれ


       君の未来は まだこれから 続いて行くのだから  ”
         




            老画家の姿は 枯葉に戻り 

         木枯らしに乗り 窓から出ていった

           ジョンジーは それを見送った



    ”  私は 上手に 微笑むことが できるかしら

          いいえ きっと できるようになるわ
          
      その 笑顔を どこからか 見ていてください  ”



         ジョンジーは 窓の外を見て つぶやく


           ”  スーとも 話を しよう

      
            生きる意味 生かされている命

          私は これから 何を 成すべきなのか  ”


            壁に描かれた 一枚の葉が

               夕日に 輝いていた

             残照が 窓から 差し込み

              ジョンジーを 照らした

            彼女の影が 長く伸びていた
           



                   終 り



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