最終話 偽作 シンデレラ 16 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい

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「 お前たち なんとしても この牢獄から 逃げ出すんだよ ! 」

「 どうしたら良いかしら ? 」

「 メガ豚パンチで 壁に穴をあけてみな ! 」


<<  ドッカン ! >> <<  ドッカン ! >>


<<  ガラガラ ! >> <<  ドサドサ ! >>


「 だめだわ ~ レンガは砕けても ぶ厚い鉄板で補強してあるわよ  」


「 じゃぁ 鉄格子を クニャリと 曲げてみな 

  普段 バカ食いしてるんだから 馬鹿力を出すんだよ ! 」


「 う~ん ! うりぃやぁああ ~ ! 」


「 うおぉぉおお ! どぅりゃぁぁあああ ~ ! 」


「 ぜぃぜぃ ぜぃ ~

  ここの鉄格子は そこいらの留置場とは作りが違うわ

  普通の鉄じゃなくて 特別製の高炭素鋼みたい 」
  

「 普通のなら 簡単に曲げられるのに駄目だわ

  お母様 やってみてよ ~ 」


「 お前たちで 曲げられないなら 誰がやっても同じだろうさ 」


「 じゃぁ どうすればいいのかしら ? はぁ はぁ 」


「 そうだ 看守を色仕掛けで たぶらかしてしまいな 

  お前たちの得意技だろう いっちょう やってみな ! 」


「 うっふ~ん ♡ ちょいと そこの色男さん~ ♪ 」


「 ねぇ~ 素敵な 制服制帽の看守さ~ん ♡ 

  あそびましょうよぅ ~ ♡ ♪ 」


「 けけけっ その調子 スケベな男なら イチコロさ 

  ここから出たら 何としても

  あのガキと バカ王子の結婚式を 

  妨害して メチャクチャにしてやるよ ! 

  てめえだけ 幸せになるなんて 許さないよ ~! 

  不幸の ズンドコに 叩き込んでやる ~!

  そうそう 国際犯罪捜査機構の 

  あの捜査官たちも 忘れちゃいけないよねぇ

  みっちりと復襲してやる 

  倍返しだ いや 百倍返しだ ~! 

  首を洗って待っていろよ うひうひうひぃ ♪ 」


「 そこの 極悪人たち 私語は 謹みなさい ! 

  ここを どこだと思っているのですか !

  そして そのグロテスクな色気は 私には通じませんよ 」



「 えぇぇ ? 細マッチョの ハンサムさん 

  そんな堅いこと 言わないでさぁ ♪ 」


「 真面目なのね おにいさん~♪ 

  あたしぃ~ 堅い男の人 好きよ ♡ ♪ 」



























「 御期待には 沿えません! 

  私は これでも 女ですから ! 」


「 えぇぇ~ ? 」
「 えぇぇ~ ? 」
「 えぇぇ~ ? 」



「 いったい どこに目を付けているんだか

  失礼な連中 ムカつく 、、

  しばらく飯抜きにしてやるわよ  」



「 ひぇ~ それだけは ごかんべん~ 」

「 一日 5食は 食べないと~ 」

「 やせ細っちゃうわ~ 」



「 三人とも 一年ぐらい 食べなくても

  大丈夫そうだけどねぇ あはははっ 」






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「 えぇ ? 冬の賞与が 満額出ないんですか ~? 」


「 すまんなぁ 国際犯罪捜査機構も 国際的通貨危機や 

  各国の財政悪化の煽りを受けて

  超緊縮財政なもので 勘弁してくれ 」


「 私たち 賞与を当てにして 

  念願の 結婚式を挙げようと思っていたのにぃ 」


「 そうですよ あの極悪母娘を やっと逮捕して 

  心置きなく 式を挙げる予定だったんですよ !


「 安月給で 蓄えも乏しいのに

  くやしい 、、、、 」


「 どうしてくれるんですか !

  捜査では 持ち出しも多いのに 」 


「 まぁ そう言うなって 

  それに 他にも話があってなぁ ~ 」


「 なんですか ~?

  まさか 給料遅配じゃぁないでしょうね ! 」


「 困ります 死活問題です ! 」


「 実はね 、、、 」


「 はいはい 、、、 」
                                                         
「 なんでしょう ? これ以上悪いことが ? 」
























「 とある王室から 君たちに 金一封が出ている 」


「 ええっ !? 」 「 ほんとに !? 」


「 王子様と お妃候補の 御結婚が決まり 

  その謝意と言うことだ

  休暇届けは早めに頼むよ 君たちの式の招待状もな 」


「 わぁぃ ♪ じゃぁ 結婚式が挙げられる ~♪♪♪ 」


「 たっぷり ご祝儀 はずんでください お願いしますよ 」


「 あぁ 、、、それは ちょっと無理かも

  上司とはいえ わしも安月給で家のローンもあるしぃ

  飲み屋のツケも たまってるしぃ 

  女房も ギャアギャア うるさいんでね 」


「 それじゃぁ まぁ しかたないですなぁ 」


「 しかし 君たちは 恐ろしいくらいに 

  あの母娘の逮捕に 熱心だったな

  何か 執念めいたものが感じられたが 」


「 おい 君の 身の上話を 聞いてもらいな 」


「 えぇ 実は 私 、、、 」



  



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< ぺた ぺた ぺた >


「 あ~ら お母様 何なさっているの ~? 」


「 シ ~! 

  塩分の強いスープを 鉄格子に塗りつけているのさ 」


「 それで どうなるの ? 」


「 少しずつ 錆びさせて 脆くする 

  そこを お前らが 引きちぎるのさ 」


「 まだ あきらめてないの ~? 」


「 しっこい性格ねぇ ここでも三食

  食えるからいいんじゃないの ~? 」


「 バカか お前たち ! 

  やがて あたしらには 極刑の判決が下るんだよ ! 」


「 あらぁ ~ それは困るわ ~ 」


「 それって 御飯食べられなくなるってことなの ~? 」


「 うるさい !

  黙って よく聞きな ! 

  この話は 美人が幸せな良い目に遭う 

  そんな夢物語の 凡庸な お伽話じゃぁないんだよ ~!

  あたしらの クライム・ストーリー なのさ !

  悪は滅びず また赤々と 燃え盛るのさ !

  古今東西 悪は栄える それが世の習い !

  そんな事は 誰だって薄々 感づいてるだろうよ  

  今は このお話 ほとんど読む人もいないから

  あたしらの犯罪を 知る人は少ないけど

  ここまでは前振り いつか世の中を 騒然とさせてやる ~!


『 1人 Xせば 犯罪者

  10人 Xせば 大悪人

  100万人 Xせば 英雄 』 なんだよ ~!


  自分には関係ないと思っている連中 !

  いつまでも 枕を高くして寝ていられると思うなよ ~~~!

  ぎゃぁ~っはっはっははっはははっはははは ~~~!



  そうそう あの捜査官の女 

  どこかで見たことがあると思っていたんだが

  今 思い出したよ 


  お前たち ガキだったから 憶えてないかもしれないが

  ずいぶん昔 他の国で後妻に入った時の

  亭主になった男の 一人娘だったよ


  亭主を毒薬で亡き者にしたあと しばらくこき使って

  財産を売り払い とんずらする時に邪魔で始末しようとしたら

  あたしの眼を盗んで 逃げ出しやがったんだ 


  あの時は まだまだ ほんのガキだったんだが

  今は ずいぶん 大人になっていて 気付かなかったよ

  だが 面影は残っていた 気の強いガキだったね

  あの シンシアと よく似ているよ


  まさか 国際犯罪捜査機構の 捜査官になっていたとはね

  お前たち よ~く覚えておきな !

  

  あいつの 名は
























「 ”  シ ン デ レ ラ  ”  だよ ! 」

  


           完





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