<< きぃぃい~こ ♪ きぃぃぃいい~こ ♪ >>
「 おい ホ~ムズ !
夜中に 下手なバイオリンを弾くのは やめてくれないか 」
「 やれやれ ワトソ~ン
君は 著しく音楽的素養に 欠けているとみえる
この 銘器ストラディバリウスの
妙なる響きが お気に召さないのかい ?
「 そのバイオリンは
*トテナムコート・ロードの ユダヤ人古物商から
たった 55シリング で買ったんだろう 」
「 そうなのだよ ♪
なぁ~んて お買い得 賢い買い物をしたよ
そうさなぁ 百年後には
莫大な 価値になるかもね ふふふ ♪ 」
「 でも それ 本当に ストラディバリウス なのか ? 」
「 間違いない !
だって 署名してあるんだもの 見給え 」
「 どれどれ ? 」
「 ふふふ どうだい ちゃんと書いてあるだろう 」
「 おい ホ~ムズ これは 何語で書いてあるんだい ? 」
「 え~と たしか 日本語の カタカナ と呼ばれている文字だね
ちゃんと 「 ストラディバリウス 」 て書いてある 」
「 おいおい ストラディバリの 制作した弦楽器には
18世紀の慣例で 「 Antonius Stradivarius 」 を
ラテン語で 署名してあるんじゃないのか ? 」
「 えぇ ! そうなのぉ ~! 」
*( シャーロック・ホームズ 最後の挨拶『 ボール箱 』より )