世界迷作劇場 偽童話 三羽の鴉 6 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい

 









  城主バイロンは、皆を見まわして言いました。




「 この若い魔女を 火あぶりにする ! 

  反対の者は名乗り出よ ! 誰も、異論は無いのか ~!? 」








  バイロンは、誰かから異論が出ると思いました、

  反対の声は、処刑を中止する理由になると考えたのです。





  しかし、誰も何も言いません。









  城内の者達は皆、路頭に迷う事を恐れました。

  絶対支配者のように振舞う、

  恐ろしい城主の義母マリスボマーに

  逆らえる者はいませんでした。

  自分だけではなく、家族、親族まで

  酷い仕打ちを 受けてしまいかねないのです。

  皆、目を伏せて、身体を震わせ、口をつぐんでいます。




  義母マリスボマーは、満足そうに、

  冷たい笑いを 口元に浮かべました。



 「 さぁ バイロンよ ! 早く処刑しておしまい ! 」



 「 誰か、反対の者は、いないのか ~! 」


   バイロンの声が、城壁に虚しく反響します。



 「 みんな、賛成みたいだよぅ、

   早く、焼いちまおうよぉぉお、

   その後は、バーベキューパーティにしようかねぇ、

   焼肉、焼肉、食い放題 うれしいな、ラン ラン ラン ♪ 

   ほれほれ、早くしろぉぉぉおおい ~~!  

   お~ほっっほほほほ ♪ 」
  


 「 異を唱える者が 誰もいないのであれば、

   仕方がない、では、せめて僕の手で 、、、 」



   バイロンが 用意されていた着火用の松明を手にしました。


   ショールは、涙を流しながら うなだれたままで、

   自らの運命を、静かに受け入れているようでした。


   そして、バイロンは 松明を高々と掲げました、


   燃える炎は 彼女の体を 生命を 未来を

   燃やし尽くしてしまうのでしょうか。







        続 く









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