城主バイロンは、皆を見まわして言いました。
「 この若い魔女を 火あぶりにする !
反対の者は名乗り出よ ! 誰も、異論は無いのか ~!? 」
バイロンは、誰かから異論が出ると思いました、
反対の声は、処刑を中止する理由になると考えたのです。
しかし、誰も何も言いません。
城内の者達は皆、路頭に迷う事を恐れました。
絶対支配者のように振舞う、
恐ろしい城主の義母マリスボマーに
逆らえる者はいませんでした。
自分だけではなく、家族、親族まで
酷い仕打ちを 受けてしまいかねないのです。
皆、目を伏せて、身体を震わせ、口をつぐんでいます。
義母マリスボマーは、満足そうに、
冷たい笑いを 口元に浮かべました。
「 さぁ バイロンよ ! 早く処刑しておしまい ! 」
「 誰か、反対の者は、いないのか ~! 」
バイロンの声が、城壁に虚しく反響します。
「 みんな、賛成みたいだよぅ、
早く、焼いちまおうよぉぉお、
その後は、バーベキューパーティにしようかねぇ、
焼肉、焼肉、食い放題 うれしいな、ラン ラン ラン ♪
ほれほれ、早くしろぉぉぉおおい ~~!
お~ほっっほほほほ ♪ 」
「 異を唱える者が 誰もいないのであれば、
仕方がない、では、せめて僕の手で 、、、 」
バイロンが 用意されていた着火用の松明を手にしました。
ショールは、涙を流しながら うなだれたままで、
自らの運命を、静かに受け入れているようでした。
そして、バイロンは 松明を高々と掲げました、
燃える炎は 彼女の体を 生命を 未来を
燃やし尽くしてしまうのでしょうか。
続 く