新春TVショー 4 | 藤花のブログ 詩と

藤花のブログ 詩と

この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい









「 かんぱ~い ! 」

      「 かんぱ~い ! 」




「 いやぁ 一時は どうなるかと思ったが

  新政府の 人気取りの恩赦で 命拾いしたなぁ 」





「 思想犯とかもな でも もともと おいらたちは 冤罪だからなぁ 」





「 そういえば 昔 幼児誘拐殺人の冤罪で 

  二十年以上も 捕まってた人がいたなぁ 」






「 そうだなぁ そんな事件があったっけなぁ

  昔の不確実な DNA鑑定で 有罪になったんだったっけ

  あとで 無罪になったんだなぁ 」








「 本当の罪人を まんまと逃して 一人の無辜を捕まえて

  それで殺人犯は のうのうと 時効まで 逃げ切ったんだ 」





「 他にも 類似事件が何件もあったが

  未解決 なんだってなぁ

  ずさんな捜査で 恐ろしいなぁ 」





「 警察にとって 真犯人かどうかは

  とくに問題じゃぁないんだな

  誰か それらしい奴が いればいいんだ 」






「 犯人は 警察 検察 司法によって

  作られることもあるってこった

  過去にも 数えられないほど 

  冤罪は あったんだろうなぁ 」




「 おそらく 無実の罪で 死刑になった人もいたんだ 」




「 結局 誰一人 連中は 責任とらないからなぁ 」




「 賠償金は 国費で払われるし 誰も首にも ならない 

  給料も 退職金も 年金も もらえる 

  権力の傘に守られて 気楽な 稼業と きたもんだ~♪

  すいすい す~だららったぁぁあ ~♪ 」





「 C調気分でやられちゃぁ 被疑者は たまったもんじゃないなぁ 」




「 でも グラジュエーター、ショーの 優勝賞金は 惜しかったかも 」




「 おいおい 熊さんよ 本気で 勝つ気だったのかい ?

  人を あやめて お金 もらっても なんだかなぁ~ 」
 



「 まぁ 金は 邪魔にならないからなあ えへへ 」





「 表向きは 釈放された後 別人の ID をもらって

  左うちわで 暮らせるという話は 

  俺が聞いたところだと 実は真っ赤な噓

  賞金どころか 結局 人知れず処刑 解体されて 

  臓器を オークションで売買されちゃうそうだぜ 」



「 八っあん それじゃぁ 踏んだり蹴ったりじゃぁないかよ 」



「 罪人に 大金を払うのが 惜しかったらしいぜ

  役人の 天下り医療オークション会社が 仕切ってるそうだ

  サバイバルショーで 負けた人間の 臓器を

  タダで仕入れて売れば ボロ儲けだよ

  本当のところ ショーの裏には そんな目的が 

  あったんじゃないかと 思うんだ

  所詮 お上の 庶民に対する扱いなんてぇのは そんなもんさ~ 」




「 くわばら くわばら 」



「 売れない肉片は ハンバーガーにしてたとか言う噂もあるんだ 」



「 おえぇぇ ~~~! 」



「 まぁ いいさ もう 俺達には関係ない

  今夜は 思いっきり 飲もうぜ 」



「 おぉ 生きて帰れた お祝いだ~~♪

  ぎゃははははっ

  お~い おねえさ~ん 

  お酒 じゃんじゃん あるだけ 持ってきて~♪ 」







「 かんぱ~い ♪ 」

     「 かんぱ~~い ♪ 」

























「 おや~っ? ここは どこだ? おい 八っあんよ! 」






「 熊さん 声が でかいよぅ~  

  ううっ  あ あたまが 痛いぃぃ 二日酔いだぁぁ~ 」








「 お前達 酔いは 醒めたか ! 」







「 うい~っ なんだか 見覚えのある所ような 」






「 あっ この間 俺たちを捕まえた おまわり ! 」







「 ここは おなじみの 留置所だ ! 


  まったく お前達は


  政権が 変わっても やることは かわらないな


  もっとも いくら政権が代わろうと 


  この国を差配するのは 政治家じゃない 官僚なのさ


  もう新政府の連中は 御立派な高級官僚様に


  懐柔されて あっという間に 骨抜きにされてしまっているのさ


  元の木阿弥 何度 政権が代わろうと 


  誰がやろうと 同じ事の繰り返しさ 


  俺達 公務員 国家権力を なめんなよ !


  また TVショーに 


  送り込んでやる ぐわははは ♪  」












         おしまい