ラギだ。
最近とわの様子を見守っているのだが、彼女の兄貴がどうにも面白いので、報告しよう。
恐らく、他に知る人は居ないだろうが。
一昨日の出来事だ。
オレが新しい採取用仮面の出来映えを試そうとギルドカウンターへ行った時。
こんな張り紙が目に飛び込んできた。
「ただいま、ネコタクご乗車感謝キャンペーン中!
1回の乗車で、プニプニにくきうシールが1枚、もらえます!
なんと、本物の肉球から型を取って作った、本格的シール!
さあ、あなたもネコタクドライバーのにくきうをゲットしましょう!」
これはと思い、手配依頼をしようとしたら。
「ごめんなさいね、現在30分先まで予約で一杯なの。」
見ると、列ができている。仕方ない、諦めるかと思ったら。
聞き覚えのある声がする。
とわの兄貴か?だが、確認する間も無く、出発して行く。
幸い、行き先は遺跡平原でオレと一緒だ。せっかくだから、現地で声でもかけてみるかと、オレは自分の足で遺跡平原へ向かった。
遺跡平原。
とわの兄貴も、到着してそれほど経っていないらしい。
ベースキャンプからすぐの所で、薬草をせっせと採取している。
オレが近づくと、どうやら彼のチケットが届いたらしく、大急ぎでキャンプに戻って行く。
ほう、スペース確保の為、先にチケット持っておこうというタイプなのだな…。
興味深いので、後ろから様子を見ていると。
なんと、薬草採取だけで引き上げるらしい。さっさとチケットを納品してしまった。
ーーーええっ……。忘れ物でもしたのか?
ネコ運転手『はいはーい!お迎えネコタクお待たせニャ…ってまたお兄さんかニャ!?』
ワグナー『…う…うむ♪』
ーーーまたってことは、何回も忘れ物で戻ってるって事か?
ネコ運転手『今回もまだ採取に来てから2分しか経ってないニャよ?もういいのかニャ?』
ワグナー『…う…うむ♪』
ーーーもういいのか(笑)。頬を赤らめて、まあ可愛いこった。
そりゃ、何回も同じ間違い繰り返して、バレバレなら、恥かしくもなるよな。
ねこ運転手『しょーがないニャア…じゃあ帰るニャよ…。』
ワグナー『…う…うむ♪』
ーーー忘れ物を繰り返すなんて、相当なぼんやりなのかね。この坊々は。
…集会所…。
ワグナー『…採取ツアーのクエストを…』
ーーーおい、忘れ物は持ったのか?
ねこ運転手『はいはーい!採取ツアーに出発のハンターさん…ってまたお兄さんかニャアアア!?』
ワグナー『…う…うむ♪』
ーーーおい、忘れ物大丈夫かよ、おいーー?!
ねこ運転手『しょーがないニャア…じゃあ出発するニャよ…』
ワグナー『…う…うむ♪』
ーーーうむじゃなくて!虫あみとかピッケルとか大丈夫なのーー?!ねぇ、いいのーー?!
2分後…。
最初へ戻る…。
ーー単にこの兄貴が無類のネコ好きで、シールが欲しいだけだったと気がついたのは、4周目に突入した時だった。
………。
あいつもアレだが…、オレも大概だな……。
fin.
とわ著(ガロンのコメを参考に。)