番外編・夏のお約束 14 | 徒然とわ日記

徒然とわ日記

日々の暮らしの中、心に留まった事を綴ります(^-^)
雑記帳みたいなものです。
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ワグナーと虎姫が安全な場所まで走っていった事を確認したジョウジは、改めてガノトトスに向きあう。

「お前の相手は拙者だ!」
ボウガンの引き金を引こうとした、その時…。

──ヒュン!

ジョウジの横を何かが走り抜けていった。

「何だ、今のは?」
視線をガノトトスに戻してみると…。

逆光で見え辛いのだが、2人の人影が背中に取りつき、ハンターナイフを突き立てているのが見えた。
片方は仮面を付けた男…。
「あれは…ラギか…。」

そして、もう片方は…。
「むっ!…お嬢様か!」

ジョウジの表情が途端に険しくなった。
「ラギの奴め!お嬢様を危険な目に遭わせおって!!」
一瞬だけ…感情的になったジョウジだが、すぐに冷静さを取り戻す。

――この状況では下手に攻撃するとかえって危険だな…。
ガノトトスが更に暴れ、お嬢様が受け身を取れない状態で振り落とされる危険がある。
ジョウジはボウガンを構えたまま、様子を伺うことにした。

背中にしがみ付いた2人を振り落とそうと暴れるガノトトス。
ラギは慣れた様子で怪魚の頭付近に捕まり、その目を攻撃し始めた。
とわは、しっかりと背中にしがみつき、ガノトトスの抵抗が弱まるとナイフで斬りつけ、また暴れだすとしっかり捕まるというのを繰り返していた。

さすがに2人から攻撃を受けていては、耐えられる筈もない。


ギュア―ッ!

ズシィ─────ン!


ガノトトスは、再び地響きと共に倒れこんだ!!
横倒しになった巨体から、とわが弾き飛ばされる。
軽く宙に舞うとわを、駆けつけたナイトがキャッチした!

「今だ!」
ジョウジが速射状態で火炎弾をガノトトスの頭に撃ち込んでいく!

「オイラ達もいくニャ―!!」
「「「「ニャ――ッ!」」」」
マトイの号令を受けてオトモ達も攻撃を再開した。

「頑張ったなお嬢。あとは任せておけ!」
「…フッ!」
ナイトとラギも、それぞれが武器を振るう。

少し離れた所に、保険として落とし穴を展開するとわ。
虎姫とワグナーが装備を整えて戻ってきて、彼女の隣に並び立つ。
「ねえ、とわちゃん。あの仮面の人、誰?」

「あの人はラギさん。ズイムさんの元で修行している凄腕ハンターよ、姉様。変な人だけど。」
とわは笑った。

納得した様子の虎姫、戦況を見て呟く。
「3人って、ラギさんととわちゃん、ナイト様のことだったのね。
うん、今は、手を出さないほうが良さそうね。」

とわは笑う。
「ええ、姉様、私達は包丁とまな板でも用意しておきましょうか。」
2人は、テントに向かう。

「あ、兄様、念のためもう一箇所くらい罠張っておいて!」
振り返ったとわに頷いてみせ、ワグナーは、ガノトトスの通りそうな箇所にシビレ罠を仕掛けた。


ギュィィィィーーー!


ものの数分でガノトトスは、断末魔の叫びをあげた。
最期にビターーン!と尾びれをくねらせ、その巨体から、力が抜けていく。

「その生命、天に返すがいい…。」
ラギがガノトトスの横に跪いて、そっと祈った。

やったあ~~と無邪気にはしゃいでいたオトモたちも、ラギの様子を見て、手を合わせる。
その様子に、ラギは優しい口調で言った。
「オレ達もモンスターも、命の重みは一緒だからな。どんな生命であれ、尊いものなんだ。」

ジョウジも頷く。
「そうだな。師・ズイムも言っていた。だからこそ、無駄にすることなくいただくとしよう。」

ナイトが、ジェット君を呼ぶ。
「皆に、その生命が最高に輝く料理を、食べさせてやってくれ。」

ともすると殺戮ゲームになって、刈り取った生命の尊さを置き去りにしがちなハンターの世界。
虎姫とジェット君が手際良く解体していくのを、全員で見守る。

ラギの鷹がガロンを呼びに行き、たっぽとガロンも食材を引っ提げてやって来た。
「お、美味しいのに感謝、だな。」



太陽が真上を少し過ぎた頃。
皆で集めた食材で、各々得意な料理を作る。

「ふぉっふぉっふぉっ、こりゃあ美味いのう!」
いつの間にか、どこかのお爺ちゃんハンターが混ざっている。

「ったりめーだ、肉ってのは焦げる寸前が美味いんだよ!」
ガロンも嬉しそうに爺さんと肉を焼く。

「その通り!おや、スルメ!お前さんはちと焼き足りんようじゃの。」

「そうですか?」
ワグナーも笑いながら、爺さんと話している。

虎姫とジェット君、とわとジョウジ、ナイトは、未だガノトトスの解体と調理に追われていた。

ラギはその非食用素材で、色々と道具を作っている。
すでにフォークが人数分作成され、いまはスプーンを削っているようだ。

オトモ達は、葉っぱを皿代わりにし、飯ごうで炊いたご飯を丸めてオニギリを作っていた。



いただきま~す!!
小一時間ほど後、砂浜に、美味しい昼食への感謝の言葉が響く。



寄せては返す波の音と、カモメの声。
街の喧騒を忘れ、ゆっくりと穏やかに、皆の時間が過ぎてゆく……。




つづく
とわ&GG共著