夏と言えば海!ワグナー一行は、別荘でバカンスを楽しむため、南の島にやって来た。
ところが、別荘はすでに跡形も無く、入り江で釣りをしていたわぐにゃ~は、なんとガノトトスを釣り上げてしまった。
波乱に満ちた幕開けの、夏休み。
さてこちらは、海中で今夜の食材を探していたワグナーと虎姫。
ガノトトスをやり過ごし、観察していると、急に水上に飛び出して行ったのだ!
消えたガノトトスの後を追って、2人が砂浜に降り立……った時!
ドスンドスンドスン……ザバ――――ン!
ガノトトスの巨体が目の前に迫ってきたかと思うと、そのままの勢いで海に飛び込んだ!
「うわっ!」
「きゃあっ!」
その風圧に、波しぶきと共に岩場に身体を運ばれた2人。
生身の人間の身体である。岩に軽くバウンドする。
「いったぁ~い。」
涙目で、腰をさする虎姫。
「大丈夫かい、虎姫?」
ワグナーが駆け寄ると肩を貸す。
「「旦那さん!?」」
オトモのち~とカヤンバが驚いた声を出した。
「カヤンバ!」
「ち~!それにみんなも!!」
「若様!姫殿!遊泳中でしたかニャ!」
マトイも突然海中から現れた2人に、驚いている。
「いや、夕飯のね……。」
説明をしようとしたワグナーの背後…。
「危ないニャ!」
マトイの声に振り返ると。
ガノトトスが水面から頭をもたげて、水流ブレスを吐き出そうとしていた!
「姫!」
咄嗟に虎姫の身体を抱えて横に跳ぶワグナー!
ブシャ―――――――ッ!
ワグナーがいた場所を水流ブレスが切り裂いていく。
ーーふぅ。危機一髪!水鉄砲大会があったら、ヤツの優勝間違いなしだ。
「旦那さん!こっちに来るニャ!」
ち~が呼ぶ。
「虎姫、走るよ!」
「うん!」
今の2人はただの水着で、対モンスター用の装備を身に付けていない。
そのため、狩りに参加するにはハンターとは言え危険すぎるだろう。
今はとにかく、お怒りガノトトスから離れるべく走り出した。
ザパ―――ッ……
海面に影ができるほどの、ジャンプ!
でっかい体で、見事な跳躍だ。
……ズシンッ!
体操選手真っ青の着地を決めるガノトトス。
水流ブレスの効果が無いと知ったのか、再び上陸して来た。
そのお怒りはまだ冷めやらぬようで。
「また来たニャ―!」
わぐにゃ~が飛び上がる。
「みんなで旦那さんを守るんだニャ!」
マトイの一声に、オトモたちが団結する。
「「「「ニャ―――ッ!」」」」
──そこに…。
「若!虎姫殿!」
「爺や!」
「爺やさん!」
他の3人より一足先に駆けつけたジョウジ。
「お2人とも!ご無事ですか?」
2人を庇う様に前に立つと、ボウガンを構えてガノトトスに銃口を向ける。
「ええ、腰をちょっと打ったくらいよ!」
「ここは拙者に任せて、お2人は下がってくだされ!」
「しかし…。」
「裸同然のあなた方がいても、足手まといですぞ!それに、まもなく他の3人もここに来ます。」
「「3人?」」
ワグナーも虎姫もハテナマークを浮かべる。
「1人多いわよね?」
ギュアーーーーッ!
ドスンドスンドスンドスン!
ガノトトスが地響きを立てながら迫って来た。
それはまるで、遠距離恋愛の恋人に「会いたかったわあなた!」みたいな勢い…と言うか、剣幕で。
「若!虎姫殿!話は後で!」
さすがのジョウジにも、熱烈に迫り来るガノトトスと、若者カップルの両方を相手にする余裕は無い。
「「わかった!」」
2人はとりあえず装備を整える為に、テントに向けて走り出した。
ひゅっ!
何かがすれ違った気がして、ワグナーははっと振り返る。
逆光で誰かは判別つかなかったが、2つの人影が、ガノトトスの背にしがみついた!
つづく
とわ&GG共著