「交易船…。」
世界中を巡る交易船には、自分たちが見たこともない、珍しい商品が沢山あるはず。
そう考えたワグナー。
「わたし達もついていっても良いだろうか?」
風駕に訊ねる。
彼女は頷く。
「ええ、構いませんが…。何か探し物でも?」
ワグナーは、虎姫の結婚式の衣装に使う素材を探している事を話した。
「どうしてもありきたりな素材しか頭に浮かばなくてね。」
風駕は、
「なるほど…交易船には珍しい商品が積み込まれていますからね。
ならば、一緒に行きましょう。」
と時計を見た。
「予定では、お昼過ぎにこちらに着くらしいので、そろそろ様子を見に行きますか。」
ワグナー、虎姫、ありがとうと礼を述べ、歩き出した風駕の後に続く。
途中、また、ハンター達にビールを売り込む教官を目撃した。
シー・タンジニャ付近でせっせと商売している。
「見かけハンターだけど、商売人なんだな。
そのうち、ダレン・モーランの抱き枕とか商品化しそうだよな…。」
「…悪夢を見そうね。」
くすくす笑いあうワグナーと虎姫。
人の集う所には、面白い人が数多く居るものだ。
交易船は既に到着し、荷下ろしが始まっていた。
交易船を間近で見たワグナー達はその大きさに圧倒された。
雷牙、無邪気に歓声を上げる。
「ひゃーっ!でっけーなー!」
ワグナーも船体を仰ぎ見る。
「ああ…。」
虎姫も、交易船は初めてのようだ。
「本当…大きいわね。」
風駕も見上げる。
「……………。」
交易船から男たちが沢山の荷物を降ろしている。
その様子を見ている一人の男…。
がっしりとした身体に先の尖った耳…。
人間とは別の、竜人族と呼ばれている種族の男であった。
その長身の男は、ワグナー達に気づいて振り返った。
「何かワシに用かゼヨ?」
「船長、私は風駕と言います。父の代わりに依頼した品物を受け取りに来ました。」
風駕はそう答えながら、懐から書面を取り出して船長に手渡した。
「ええ!この人が船長!?」
雷牙びっくり。
「竜人族…話には聞いた事があるが…」
「あたしも初めて会うわ。」
ワグナーと虎姫も驚いている。
書面を読み終えた船長。
「うむ判ったゼヨ、後でワシがお主の宿屋に届けてやるゼヨ。」
「ありがとうございます、宿屋の名は…」
宿泊中の宿屋の名前を伝える風駕。
つづく
とわ&GG共著