荷届けに必要な情報を船長に伝えた風駕。
「さて、これで私の用件は済みましたよ、ワグナー殿。次はあなたの番です。」
風駕に礼を言い、ワグナーは進み出た。
「初めまして、わたしはワグナーと言います。
隣は妻の虎姫です。」
虎姫もお辞儀する。
――太刀だ…。
挨拶をしながら、ワグナーは船長の背負った武器を見ていた。
船長も同様だったらしく、真っ先に問うてくる。
「…オヌシ、太刀使いゼヨ?」
ワグナーは頷いた。
「はい、船長も…でいらっしゃいますね。」
船長は腕を組んだ。
「うむ、ワシは北辰納豆流の使い手ゼヨ。」
「北辰納豆流?」
「知らないのも無理はないゼヨ。なぜなら、免許皆伝者が極端に少ないからゼヨ。」
笑う船長。
「どうだ、ワシと手合わせしてみるゼヨ?」
船長の誘いに、ワクワクしながら応じるワグナー。
「はい、ぜひ!」
虎姫は慌ててワグナーをつついた。
まったく、この人ってば!目を輝かせちゃって!
「駄目よ、先に用を済ませないと!」
ワグナーは、ぷくっと頬を膨らませた虎姫をなでなでしてやる。
「いけない、そうだったね。すみません船長、少しお聞きたい事がありまして。」
「どうしたゼヨ?」
ワグナーは、結婚式の衣装その他に使える素材を探している旨を話す。
船長はうんうんと頷く。
「それはめでたいゼヨ、
ワシにできる事なら何でも言うゼヨ。」
ワグナーはメモ帳を取り出す。
「では、まずは衣装に使えそうな素材ですが…。」
言いかけたワグナーに、船長は即答する。
「うむ…。それなら、ナバルデウスの素材が良いゼヨ。」
「ナバルデウス?」
虎姫がワグナーの袖を引っ張る。
「あたし聞いた事あるよ!」
自分を見るワグナーの視線に、にこりと応え、
「うん、モガの村に言い伝えがあるのよ。」
と語り出す。
彼女の話によると…。
ナバルデウス。
何百年かに一度、モガの村の近くの深海に姿を現すという大海竜。
輝く長大な身体と巨大な角に、島をも沈める力を秘めるという伝説の古龍種である。
その出現は、モガの村に大小の被害をもたらす。
そのため村長は、ハンター達に依頼し、島に接近せぬよう追い払う事にしている。
船長によると、最近も近郊に姿を現したのだが、あるハンター達によって追い払われたらしい。
「数百年に一度のチャンスゼヨ!」
つづく
とわ&GG共著