こんにちは、杉原佳子です。
今日の東京は、桜が満開ですね。
さきほど、やや夕暮れに近い時間帯に、
桜並木で有名な場所を、バスで通過したら、
たくさんの方が、お花見を楽しんでいる様子でした。
桜の時期って、楽しい思い出もたくさんあるけれど、
大人になってからの私には、ちょっと切ない思い出の時期。
父が亡くなる前の年、
最後の外泊で家に戻ったとき、まさに庭の桜が満開でした。
そして、寝台車に乗って、病院へ帰っていく父の姿に、
私が、つい不覚にも涙してしまったとき、
「こうなったのも仕方がない、運命だ」と、言った父。
その言葉を聞きながら、見上げた満開の桜が、
夕闇せまる中、ほわっと、桜色に染まっていた風景を思い出します。
また、母が入院していた病棟前の道の、その向こう側、
その先のちょっと小高い丘の上には、桜並木がありました。
近くの道を通るだけではわかならかった、
お花見に絶好の場所を教えてくれたのは、入院中の母。
入院生活が長かった母が、散歩をする中で見つけたらしい。
あるとき、お見舞いにいくと、
私にちょっといたずらっ子のような表情で、
「お花見にいい場所があるのよ、行かない?」
と、嬉しそうに教えてくれた母。
売店で買ったお菓子を持って、2人だけのお花見をしたっけ。
何を話したのかは、覚えていないのだけれど、
他に誰もいないその場所で、2人で満開の桜を見上げた、
そんな時間を共有したことを思い出します。
今思うと、そのときの風景も、桜色に煙っていました。
桜色、私にとっては、
両親との思い出と繋がる色だとわかってから、
ちょっと切ない、そして大切な色となりました。
今日の写真は、3月初旬に剪定した、庭木の桜の枝。
切りたての頃は、まだ固い蕾だったのだけれど、
植木屋さんに教えてもらい、水につけていたら、
みごとに開花しました~。