こんにちは、杉原佳子です。
一昨日、5年になる娘の、絵本の読み聞かせに行ってきました。
1年から5年までの期間限定の、週一の朝のひととき。
何人かのお母様方と交代で担当してきました。
今思えば、この読み聞かせを始めたのは、
私が乳がんの手術を終えた、その2か月後から。
まだ術後の痛みもあり、体力も戻っておらず、
この読み聞かせに参加することは、
私にとっての、ひとつのチャレンジでした。
しかし、娘が就学前に罹患した私は、
これからの自分の人生が不透明だと感じる中、
できるだけ、娘と過ごす、楽しい時間を多く共有したい、
と思ったことも、この読み聞かせに参加する、
ひとつの理由だったと記憶しています。
絵本は、絵と文章とのコラボレーションがとても大切。
これに加えて、読み聞かせの場合の絵本は、
色合いが、はっきりとして、きれいで、
次のページをめくるのが楽しみなものがいいですね。
文章も、ページごとに抑揚がある、ときに、関西弁の絵本も楽しい。
素敵な言い回しや言葉に出会うと、それはそれで、楽しくなります。
最近はそんなポイントを押さえながら、
私自身が、素敵、好き、と思う絵本を選んでいました。
そうすると自然に、感情もうまく、込められるみたい。
私の読み方は、決して上手ではないのですが、
面白いんだよ、聞いて!見て!という気持が、
読み方にも影響し、子どもたちに伝わるようです。
そして最後の読み聞かせに選んだのがこの1冊。
『あらしのよるに』の絵でおなじみの、あべ弘士さんの『新世界へ』。
あべ氏が北極に旅したときに出会った、
カオジロガンの親子が、遠くへと旅する話。
絵本を開くと、濃淡のブルーが目に飛び込んできます。
白の背景が、またブルーの色を効果的に見せます。
越冬するために空を旅する鳥たちが、他の鳥にも出会い、
とても、雄大に、しかし軽やかに、ときには静けさをも感じ、
様々な場面が、様々なブルーで描かれています。
ブルーの色彩心理的な効果としては、
淡いトーンだと「解放感」、深いトーンだと「セルフフコントロール」
などの言葉を、多くの人が思い浮かべるようです。
寒色系の色自体、気持ちが心の内側へ向かっているときの色。
私の中では、勝手ながら、
ブルーで描かれた「新世界」を目指す鳥たちと、
来月から最高学年になり、「思春期」や「自立」という、
未知の、新世界に入っていく子どもたちが重なり、
このブルーが美しい絵本を選んだのでした。
読み聞かせの最後の絵本からのメッセージ、
子どもたちへの、心のエールとして、伝わったでしょうか。
私自身も、ブルーの持つ世界は、大好きです。