THINK BIGGER 「最高の発想」を生む方法:コロンビア大学ビジネススクール特別講義 (NewsPicksパブリッシング)

を読みました。

 

いゃあ、前作の『選択の科学』も面白かったけど、

最新作も面白かった。

■『選択の科学』を理解することが、就職を不安がる若者を理解する第一歩

 

ブレストからは最高のアイデアは生まれない、

オフィスをクリエイティブにしてもアイデアの質は上がらない。

 

快哉。

 

やはり、イノベーションとは、1人の思考から始まるものであり、

かつ、要素が新しいのではなく、

要素を組み合わせる方法が新しいだけなのですね。

 

 

それにしても、

著者のコロンビア大学ビジネススクールの

シーナ・アイエンガーさん教授は偉大ですね。

インド移民のもとに生まれ、10代で全盲になったにもかかわらず

普通学校に進学。ビジネススクールの教授となり、

世界的に注目される研究者となっているのですから。

 

 

 

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・Think Bigger
 もっと大きく考える、大胆に発想する

・イノベーション創出法のイノベーション

・新しいものごとは、それをつくる要素が新しいのではない。
 要素を組み合わせる方法が新しいのだ

・フランスの科学者で数学者 アンリ・ポアンカレ
 1913年の著書『科学と方法』(岩波文庫)

 「発明とは、無益な組み合わせを排除して、
 ほんのわずかしかない有用な組み合わせをつくることである。
 発明とは見抜くことであり、選択することなのだ」

・イノベーションとは、複雑な課題を解決するための、
 古いアイデアの新規かつ有用な組み合わせである


・シュンペーターの考えるイノベーションの役割とは
 「私たちの手の届くところに存在するものや要素を
 組み合わせるための手段を生み出すこと」なのだ


・チームは作業に向いているが、思考には向いていない


・イノベーションを生み出すプロセスの構造

 課題を明確かつ具体的に定義することから始まる。
 次に、それを重要な部分に分解する。
 それから、各部分を解決する既存の方法を探索する。
 そして、それらの解決策を全体として調和して
 機能するように、新しい方法で組み合わせるのだ


・ステップ1:課題を選ぶ
 ステップ2:課題を分解する
 ステップ3:望みを比較する    (アイデア)
 ステップ4:箱の中と外を探す
 ステップ5:選択マップ
 ステップ6:第三の眼テスト

・思考に関していえば、左脳だけ、または右脳だけが働く
 ということはありえない

・多様な分野の創造的な人々に共通する人格特性が、
 たった1つだけ特定されている。
 それは、好奇心が強いことだ。


  「ブレインストーミング」は本当にクリエイティブなのか
・ブレインストーミングが生まれたのは、1938年のことだ。
 広告代理店BBDOは、大恐慌で多くのクライアントを失い、
 経営の立て直し役に副社長のアレックス・オズボーンを指名


・社会心理学者のミヒャエル・ディールと
 ウォルフガング・シュトレーベは、
 ブレインストーミングに関する1987年の画期的研究で
 ・・・

 個別にアイデアを出した参加者は、
 一般的なグループセッションでアイデアを出した参加者に比べて、
 生み出したアイデアの総数がずっと多く、
 創造的なアイデアの数も2倍に上った


・集団力学が個人の創造性を大きく妨げることも明らかになっている。
 人はさまざまなかたちで周りに忖度し、アイデアを間引いたり、
 最初や最後に提示されたアイデアに過度に影響されたり、
 最も都合のいいアイデアを選んだりする傾向がある

・ブレインストーミングとは要するに、部屋にいる人たちの
 直接の経験をもとに、アイデアを出すことだ。
 ひとことで言えば、「情報の洗い出しと共有」でしかない


 オフィス空間をクリエイティブにしてもアイデアの質は上がらない
・グーグルが草創期に入居していた地味な物理的空間は、
 彼らのアイデアの質には何の影響もおよぼさなかった

・スタートアップと言えば、ガレージでの起業なのだから


・創造性を最も促すのは、無地の壁だ

・第一に、気が散るものがなく、
 1人でじっくり考えられる場所があること。
 第二に、コーヒーメーカーや冷水機の周り、休憩所など、
 人と気軽に出会える場があること。それだけで十分だ。

・最高のアイデアが生まれるのは、タスクに取り組んでいる最中だ

・アイデアの質は、私たちが組み合わせるピースの質によって決まる。
 課題で行き詰まるのは、おそらくパズルのピースが足りないからだ


・共同作業の前に「1人」で作業する


・Think Biggerでは、6つのステップのそれぞれを、
 まずは1人で最後まで完了してほしい。
 チームで行う場合は、続いて1人ひとりが学んだ情報や
 アイデアを持ち寄り、チーム全員で共有する。
 また、Think Biggerを集団でおこなう目安として、
 5人を超えるチームでやらないこと



・ジャムの種類は少ないほうが売れる:私の人生を変えた実験

 24種類のジャムを見た人のうち、実際にジャムを購入した人が
 たった3%だったのに対し、6種類を見た人の30%がジャムを購入した

 ジャムの研究が発表された2000年以降、900を超える追跡研究によって、
 選択肢を与えすぎることの弊害が示されている

・人間が把握できる項目は「7個プラスマイナス2個」
 

・アインシュタイン
 「問題を解決する時間が1時間あったら、問題を考えるのに55分、
 解決策を考えるのに5分費やしたい」

・大きく考えるためには、小さく考えることから始めなくてはいけない

・マッキンゼーのコンサルタント、バーバラ・ミントが
 古代ギリシアの哲学者アリストテレスにヒントを得て考案した「MECE」

 「互いに重複せず(Mutually Exclusive)」、
 「全体として漏れがない(Comprehensivery Exhausive)」

・MECEの限界
 複雑な課題の場合、部分は「互いに重複しない」どころか、
 複雑に絡まり合っている


・人は失敗したから成長するのではない。
 失敗に対処することで成長するのだ。
 失敗そのものから学べるのは、うまくいかない方法だ
 
・失敗の最良の教師ではまったくないのだ


・ネットワーキングの目的は、ネットワークを広げることにある。
 これに対しアイデアワーキングは、アイデアを広げることを狙う

・課題を定義し、分解し、戦術を徹底的に探し、
 それらを新規かつ有用な方法で組み合わせて、
 課題の当事者にとって意味のある解決策を生み出し、実行に移したのだ

・判断に迷うと、周囲の影響を受けやすくなる


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すべては、日本の上司を元気にするために。