三井住友銀行の「年功」脱却に向けた

人事制度改革が大きなニュースになりました。

 

年功主義見直しへ 中堅・若手に挑戦権 
三井住友銀 定年延長65歳に

※日経新聞

 

報道ではポイントは以下のようです。

・最短8年目(30歳目安)で管理職へ登用

・定年を60歳から65歳に延長

・51歳以降の給与落ち込み幅を

 8割程度にとどめ、60歳まで同水準を保つ

 ※現状は55歳で6割の水準に減る

・週3日勤務を条件に副業解禁(60歳以上対象)

・一般職と総合職を統合

・企業年金を利率固定型から国債連動型に

 

 2021年1月に発足予定。

 2001年以来の全従業員を対象にした見直し

 

大和総研によると、18年に働く40代のうち

課長は10.5%で、00年代半ばの14%前後より低いそうです。

 

フィンテックの波、業界の垣根を超えた競争の激化。

仮想通貨の浸透、紙幣神話の瓦解・・・

並行して、変化する若者の就労意識、

高齢労働者の増大・・・

 

伝統的な巨大組織、かつ国の管理監督が厳しく

新しいことに挑戦することが難しく、

保守的な体質が染みついた銀行においても

さすがに抜本的な改革を行わなければ、

メガバンクすら生き残れない。

 

そんな背景をひしひしと感じます。

 

こうした改革は好ましい動きだと思います。

 

ただ天邪鬼な僕としては、

残念に感じる点もあります。

 

それは、この改革の根底にある思想が

給与やポストで働く人たちを

動機づけしようとしていると感じられること。

 

その概念のもと何十年も働いてきた

中高年男性はそれでモチベーションが上がるかもしれませんが、

社会貢献意欲が強く優秀な若者、

そして活躍し始めた女性は、行内の出世競争に参加することに

冷ややかな人も増えているのではないでしょうか。

 

手段としてポストは必要ですが、

本当に優秀な人たちが求める目的は、

社会への貢献に向けてより大きな仕事を為したいという動機です。

 

大きな仕事をするために

ポストとそれに付随する権限が

任されることが大切だと思います。

 

また、給与は高いほうがよいですが、

それはあくまで仕事の不満を減らすだけで、

仕事の満足を大きく増やす効果は低い。

 

生活レベルの維持のためにはお金は大切ですが、

それも年収700万程度を超えてくれば、

効果は薄くなっていくという調査もあります。

すでに高給である銀行員ならなおさらです。

 

つまり、これからの令和時代。

企業は、企業の社会貢献目的実現と

多様な従業員のキャリア目的実現を結び付け、

一人ひとりに応じレベルアップしていく仕事と

その裁量が任されることこそを大切な動機づけ因子として

人事制度改革を進めるべきだと思います。

 

すべては、この国に「人が育つ現場」を取り戻すために。

 

 

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