昨年、ビジネス書大賞を受賞するなど

勉強熱心な若者たちから支持を集める著者の新作

君に友だちはいらない/講談社

を読みました。


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・大きなパラダイム・シフトというのは、
世代交代が引き起こす」ということである。 

古いパラダイムを信じている前の世代を説得して
 意見を変えさせるのは、不可能であるし、
 それら労力を注ぐのは時間の無駄


・ラフ
&タフ


「本物の資本主義とグローバル化の潮流が
 押し寄せている日本社会で、
 どうすれば若者が自分の人生を切り開き、
 より社会を豊かにしていくことができるか


「セルフブランディング」・・・
 要するに「一生懸命アピールしないと仕事かできない人」に
 見られかねない

本質的にノマドやフリーランスは「強者」にのみ許される働き方

人間は合理的に動いていない組織に長期間属していると、
 物事をロジカルに考える能力が確実に低下していく。
 そういう組織に順応すればするほど頭が悪くなり、
 組織に順応できなければ精神を病むことになる

アメリカ独立宣言を起草したベンジャミン・フランクリンが
 フリーメイソンであることはよく知られ

慶應義塾の理念は、「社中協力」と「半学半教」

今日本に生きる私たちに必要なのは、
 「ワンピース的なチームではない」

仲間というのは当初の目的を達成し、
 互いに必要とする時期が終われば、

離れるのが自然だと思っている。
 いつまでもずるずると仲間意識をひきずり、
 「仲
良しごっこ
」を続ける関係には、意味がないのだ

「チームアプローチ」は、いわゆる「チームワーク」とは似て非なるもの

「チームワーク」という言葉は、 
 所属するメンバーが互いに協力しあって行動する、
 というぐらいの意味

チームアプローチの考え方は、
 前例がまったくない、解決の方法が分からない
 不確実性の高い問題に挑む、少数の組織横断的な
 チームが、互いのスキルを有効活用して
 課題解決するときの方法論である

よき友は探すのではなく、
 ともに働いていくなかでつくられていく

ネットの普及により「インフレ化」した人脈

仲間の数を増やすのではなく、

 少数の仲間の質を追求することが、肝要となるのだ
・なぜ一流大学に行くことに意味があるのか。
 それはそこで得られる友人の質が高いことと、
 一流の大学は、間違いなく図書館も一流であるからだ



自分自身の力で世の中にまだない知見、

 発見を生み出したい、
 
と思うならば、まず「世の中ですでに明らかになっている知識は、
 
徹底して効率的に学べ」

教養の持つ大切な機能の一つが、
 
自分と違う世界に生きている人と
 
 会話できるようになること」


・「見晴らしがよい会社に行ったほうがよい」


・非常に仕事が厳しくても、
 その業務を通じて大きく成長することができる会社は、
 
ブラックではないのだ

・アメリカの神話学者であるジョセフ・キャンベル
 英雄と輪廻において
、あらゆる神話は
 
「出立」「イニシエーション」「帰還」の3つの要素からなると分析した。

 そしてさらにそれらを、次の8つの構成要素に分解し、
 「ヒーローズ・ジャーニー」(英雄の旅)と名付けた。

1 Calling(天命)
2 Commtment(旅の始まり)
3 Threshold(境界線)
4 Guardians(メンター)
5 Demon(悪魔)
6 Transformation(変容)
7 Complete the task(課題完了)
8 Return home(故郷へ帰る)


・ゲマインシャフトというのは、地縁や血縁など、

 人間が生活していくなかで自然発生的に生まれていく社会集団



・ゲゼルシャフトというのは、

 「ある目的を持った人々が、その目的を達成するために

 集まった社会集団」

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タイトル「友だちはいらない」の妙につられ、

読みましたが、正確にはいらないと言っていません。


友だちの多さを競うのではなく、質を追求しなさい。


仕事における仲間は目的に応じて募り、

目的を達成したら解散しなさい、という主張です。


200年代半ばから

勝間和代さんが若者たちの熱狂的な支持を集め、

カツマーと呼ばれました。


しかし、勝間さんの主張する

テクニックにばかり注目が集まり、

それらのテクニックは一時的に

マネできても続けられない。
続けられたとしても、成功に近づく実感を持てない。

そう気づいた若者たちの熱は

サーッと冷めてしまいました。


その後を受けて、若者支持を

集め始めているのが、瀧本さんでしょう。
さながらタキモーとでもいうべき現象。

瀧本さんはテクニックではなく

教養の大切さを説きます。


ご著書を読むと、

瀧本さん自身、古今東西、さまざまな文献を

むさぼり読んでこられたことが伺えます。


カツマー転じたタキモーの若者たちが、

テクニックのお手軽さではなく、

教養の奥深さに注目していることは喜ばしいことです。

また、瀧本さんのこれまでの本は

武器と呼ぶ自己啓発ばかりをテーマにしてきたなか、

今回は、働くうえでは欠かせない

チームに注目している観点も進化を感じます。


しかし、私は瀧本さんの本を読み進めるほど、

どうしても拭えない違和感が肥大化するばかりです。

滝本さんも言及している合理的な経済学と

非合理を扱う心理学を融合させた行動経済学の

視点からするとなおさら。


確かに、理屈で考えれば、

目的に応じてチームを募ればいいのかもしれませんが、

現実の人間関係はそう合理的に

割り切れるものではありません。


この瀧本さんの思想の根底に感じるのは、

やはり勝間さんと同じく、

いかに自分が効率的に成功するか

という視点です。

他者からみると、功利的、利己的に映りかねません。

功利的、利己的な、しかもまだ役職がなく

権威で人に指示を出すことができない若者に

(この権威すら人を動かせなくなっている昨今)

人がついてくるでしょうか。


しかし、本当の意味での仲間やチームを創るには

その利己的思想ではうまくいきません。

人がついてくるのは利他的、愛他的な人物です。


チームづくりで大切なのは、自分よりも他の誰かを思う

気持ちだと私は強く思うのです。


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