先々週のAERAで興味深い特集が組まれていました。


前川孝雄の"はたらく論"

「育てる上司」が会社を救う


記事としては、タイトルそのまま

管理職に求める能力として「部下を育てる」ことが強く求められてきているという内容。


私が営んでいるFeelWorksも

人材育成コンサルティングを生業としていますので、

やっと目先の収益一辺倒から、中長期視点で人を育てる大切さに

気づき行動し始めた企業が増えてきたようで、

万感の思いです。

ただ、企業は学校ではありませんので、

人を育てることは目的ではありません。

社会により大きな貢献をするために

企業として継続的な価値提供をし続けるために

人を育てることが欠かせないということです。

この主従を経営・社員ともに勘違いすると

おかしなことになってしまうとも思います。


興味深かったのは、

国内主要企業206社へのアンケート調査

「管理職に求める能力」


81社から回答があり、

「課長職」「部長職」に求められる能力は

10年前と比較して、47社(有効回答の半数以上)が「変化した」

としているといいます。



実際、81社の回答がすべて掲載されていたのですが、

実社名が出ている45社の回答をつぶさに分析してみると、

「課長に求める能力」と「部長に求める能力」の違いが 

傾向として見えてきました。



課長に求める能力


・メンバーの指導・育成・動機付けをしながら、

 組織を活性化させる力

 (アイシン精機)


・組織をリードしPDCAを回し目標を達成する力

 (アサヒビール)


・メンバーとのコミュケーションを

 しっかり行うことを通じた育成力

 (キリンビール)


・未知の経験を通じてメンバーの成長を

 促す指導育成力

 (コクヨ)


・人間力(EQ的・人格的視点から)

(コーセー)


・目標力-目標を決める・決めさせる力

 役割力-一人一人の能力が出るように組織の中で個人の役割を提示する力

 評価力-メンバーが成長できるように、定期的に課題を提示したり誉めたりする力

(サイバーエージェント)



・人材育成力-個人の力を引き出す。

         より高い付加価値・創造性のある仕事ができる人を育成する

 組織運営力-個人の力を引き出す。

         一人ひとりの持つ力をうまく連携させ、組織の力に結びつける

 統合力-個人と組織を明確な方向に導くためのビジョンを示し、

      実現に向けて行動する

 (損保ジャパン)



・日常業務を通じて部下を育成する力

 (帝人)


・Leading Others(他者のパフォーマンスを向上させる力)

(日本マクドナルド)


・配下構成員を束ね、組織(チーム)として成果につなげていく力
 思いやりの心を持ち、法や社会規範を順守する力

 (ローソン)



部長に求める能力


・グループ・グローバルな視点でのビジョン・戦略を創造する力

 組織の枠を超えた牽引力を発揮し最大利益をもたらす決断と行動をする力

 (アイシン精機)


・単位組織の進むべき方向を指し示す力(ビジョン提示)

 (キリンビール)



・より大きな価値の創出に向けた意識改革・業務推進

 (国際協力機構)


・グループ全体にインパクトを与えるビジョン・戦略構築力
 ビジョン・戦略の実現に向け、

 最適かつ効果的な経営資源の配分を行うバランス感覚

 (コクヨ)


・大きな成果を出す力-直接指示しなくても組織を動かし成果を出す
 ゴールを掲げてそれを正解にする能力-指示待ちでなく、指示出し
 人望力-尊敬されていたり共感されていたりする状態をつくる力

(サイバーエージェント)


・社員の意欲を引き出し、多様な人材を活かすメンターとしての能力
 揺るぎない判断基準に基づく全社最適の観点で判断を行う経営判断力
 時代の変化・要請を先取りし、確固たる社会的使命に基づき

 会社としての筋道を示すビジョン構築力

 (損保ジャパン)


・特定ジャンル・職種の専門家として関連分野を含む

 広範で詳細な専門知識を有し、

 経営的な視点をもって極めて高度で複雑・困難な業務を遂行できる

 (髙島屋)


・先見性をもって、挑戦的な中長期目標・戦略を構築する力
 長期的視点からの指導、教育、配置を通じて、部下を育成する力

 (帝人)


・Leading Managers(担当管理職のパフォーマンスを向上させる力)

 (日本マクドナルド)



・ストレッチした目標に対して配下構成員を束ね、

 成果につなげていくリーダーシップ
 経営の視点で担当部門にかかわらず、

 全社最適で業務遂行していく力

 (ローソン)



課長と部長では

現場と経営

戦術と戦略

短期と長期

小局と大局

と求められる能力は変わることが見て取れます。


年功序列組織で、

もし課長と部長でこの能力が逆転していると

さまざまな不条理が組織には漂います。


課長には実務遂行能力、執行が求められ

部長にはビジョンと意思決定が求められるといえます。


育てる力は課長・部長ともに求められるものの、

課長が育てる対象は現場社員であり、

教える力が求められる。

部長が育てる対象は課長クラスであり、

気付かせる力が求められるといえるようです。





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