(夢一夜 参拾捌) | feelsayo 2 

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猫を眺め 猫を被る日々。  
内心 ・・・ です。

2013/03/22 宵月/十日余りの月
夢一夜 参拾捌 00:10amごろに見た夢。


台所から勝手口へ出ながら母が言った。

「雉のことはもう、諦めないと」

雉が家に帰ってこなくなって、一か月がたっていた。

「分かっている」

と、自分は答えた。
母が台所の扉を明けると
遅い朝の明るい日差しが差し込んだ。

自分は母に続いて勝手口の階段を降り、
通りに出た。

坂の上の方の家の、溝板のあたりに
猫が立っていた。
逆光に移る影は
見慣れ親しんだ姿だった。

「雉!」

と、呼ぶと、軽やかに一直線に走ってきた。
薄曇りの空からそこだけ
少し明るい日が差して
薄い影をアスファルトに落としながら
雉は駆け寄って来た。

抱き上げると、
雉の、
外気を存分に浴びた若い健やかな猫の
健康な被毛が少し冷たかった。

ああ、間違いない。
滑らな雉のオイリーヘアと
温かい雉の体の
柔らかい手触りだ、間違いない。

そう思いながら頬ずりした。


と、言うところで目が覚めた。

(脈絡に乏しく長々しい夢の、
終わりの部分。)

目眩がしたので寝なおした。
最近、寝入りばなには寒気、
寝起きには目眩を感じる。
眠ってしまえば寒くはなく、
起きてしまえば目眩も消える。


生前、よく雉が
酷い病気に罹ったり酷い怪我をしたり、
そんな夢を見た。
他界して二年を過ぎて、夢の中の
雉は健やかそうに見える。