夢一夜 参拾伍 11:13pmに見た夢。
晴れていた。空は明るく空気はやや乾いていた。
乾いた、やや熱い空気が窓から流れ込んでいた。
自分は車の後部座席右に座っていた。
父が運転をし、家の誰かが助手席にいた。
自分の左側にも二人、家の誰かが坐り、
膝に雉を抱いていた。
雉は不機嫌だった。
雉の不機嫌は募り、
雉は持てあまされ
自分に渡された。
自分は雉の両脇下を持ち、抱き上げた。
雉の口や舌は
大変濃いラベンダーピンクをしていた。
元々このような色であったか、
と
訝った時、
不機嫌な雉は自分の手を逃れ、
家人二人の膝を通り抜け、
後部左側の窓から
走り出て姿を消してしまった。
自分は車を降り、
道路に伏して泣き叫んだ。
(その道は
近所の商店街に酷似していたが
現実のその通りのように寂れてはいなかった)
雉は決して
帰ってこないと分かっていた。
自分は伏したまま、
声を限りに泣いていたが
その悲しみはどこか空々しく、底が浅いのだった。
追記
2012.04.10 更待月/十九日月
05:22.04am
明ける空、柔らかな橙の月。

月齢凡そ18.24。