078 価値の有無ではなく、価値体系の一部として有用か否かを自問する(自尊心)

 何かを行ったときに、後悔したり、罪悪感を抱いたり、すべきだったとか、すべきではなかった、失敗だ、成功だと考えることは、良くあることですが、それら度を超えると、あっという間に、うつ病や不安障害担になったり、再発したりします。
 
 自己イメージが貧弱だったり、過敏であったりすると、行き過ぎた批判をしてしまいがちです。

 ある服・物・趣味・旅行を買ったときに、それが自分に必要でなかったかかもしれないと考え、こんなことでは自分はダメだと考えたり、それでは価値がない、と考え思ったりすることは、自分を苦しめると思いませんか?


 私が、以前自分で作ったロールプレイを読んでいたときに、使った質問が下記になります。



問う人A 「あなたが行った、○○ということは、全く価値がないと主張されますが、本当なんでしょうか?」

悔やむB 「私には、あの○○は、やってみたものの、やっぱり意味もなかったし、全然、効果もなかったと思います」

問う人A 「そう考えて、不快ではないですか?自分が行ったことを、価値がない、意味がない、効果も全くなかったと反芻することは、非常に自分に厳しすぎるように聞こえるのですが」


悔やむB 「それは不快ですよ、しかし、そう感じる以上、それが真実だと思うのはもっともではないでしょうか?」


問う人A 「では、その○○というのは、あなたが選択したというのが間違えなければ、それ自体の価値を問うことは、無益かもしれません。」「もう一つ伺いたいのは、その○○というのは、あなたの持つ、主観的な価値体系の中で、全く無価値なものなのですか?」



悔やむB 「私の価値体系ですか?】



問う人A 「はい、あなたの個人的な価値の体系においてです

「それは、あなたの知識体系だったり、思考の体系、体験の体系、活動体系、目標につながる体系、才能に基づく体系、資質の体系、年齢の体系、性別による体系、社会の体系などのたくさんの、体系の中に、どこにも結びつかないものを選択されて、実行されたと考えますか?」


悔やむB 「それは、うまくいかなかったかもしれませんが、何かしら私の価値体系に関係したものを選択したと思います」


問う人A 「それならば、あなたにとって、○○は、完全に価値体系の一部をなしていて、それが意味が

なかったとか、効果がなかったと反芻する必要はないのではないでしょうか?」「つまり、○○についての価値を考えるということは、結局、価値がなかったと、自分を責めることにしかつながらないことが多いです。例えば、この服は、着れないサイズだった服だから買った価値がないと考えることは、簡単です、そのままゴミ箱に捨てることができれば、問題ないです。しかし、さっさとゴミ箱に捨てられず。かつ、そのことを何度も着られない服を買ったことに後悔し続け、自分を責め続け、お金を捨てたようなものだと自分に怒りを表す、または売った売り主に怒りを表すことは、最終的には自分に有害に働きます。」


 「視点を変えて、その服を選ぶに至った、時に、服のサイズを間違えたというあなたは見落とした点はあったかもしれないが、あなたの衣類体系というものに関連して、有意義な面があるから、選んだのだということを見つけられれば、それは、あなたの衣類服飾体系という価値体系に関連した体験だったことだとわかると思います。それは、新しいファッションをしようとしたのかもしれないし、人生で初めて自分の好きな服を買おうと頑張ったのかもしれない、または、好きなブランドだから勢いで買ったのかもしれないいずれにしても、何かしらの、あなたの価値体系に準じた行動だったと認められれば、それ自体が、あなたを形作る行動であったと、見ることができると、私は感じます。」


 このようなことが、分かってくると、自分を主軸とした価値の体系が、実はすでに存在していることが、逆説的だが、分かってくると思います


 こんなことやって、意味がなかった、後悔が止まらない、こんなに働いていない自分は無価値である、と考えることは、逆説的には、すべて、ご自身の価値体系という観点から見れば、すべて意味があり、価値があり、悔やむことでなく誇ることであることが見えてきます。


 すると、自分には意味がない、生きていて価値がない、こんなことができても仕方がないんだと考えることは、自分の価値体系という広がりの中から見ると、実は、非常に合理的に見ることができます


 そのようなことは、自尊心の階段を一つ上がるきっかけになると思います。

 バーンズ氏の本の中では、自尊心を例えるのに、はしごを使って一歩筒段階があると書いています。 ①条件付き自尊心の段階 ②無条件の自尊心の段階 ③自尊心という言葉(概念)自体が失われる段階 

 

もし興味があれば、読んでみて下さい。


もういちど自分らしさに出会うための10日間 自尊感情をとりもどすためのプログラム 単行本 – 2009/4/20

デビッド D バーンズ (著), 野村 総一郎 (監修, 監修), 中島 美鈴 (監修, 監修), 林 建郎 (翻訳)