都知事選が14日の告示から5日経ったが、メディアの調査では小池氏と鳥越氏がリードしているらしい。実際の投票行動にそのまま反映されるかは判らないが、矢張りと言うべきか、知名度の高い両者の争いとなっているようだ。
今回の都知事選には、幾つか興味をひかれることがある。その一つは、米国大統領選との相似性である。バリバリのやり手女性と、発言に危うさたっぷりな老害男性との対決というところは、多少の性格・レベルの差はあれ、似通った構図に見えてしまう。また、両候補共に、好き嫌いというよりは、嫌悪感をあからさまに表明する識者が多く、どちらが好ましいかという争いではなく、どちらがより嫌われないかの争いとなっているようだ。これは、日米共にこの時代に共通した社会現象なのかとも感じる次第である。
もう一つ、こちらが本論であるが、メディアの有り様が変わるターニングポイントを迎えつつあるのではないかという事である。鳥越氏に対するコメントで、例外なく賛辞を贈っていたのは紙媒体・TV系の既存大手メディア関係者のみであり、ネット系のメディアはほぼバッシングに近い取り上げ方をしている。
先の参院選から選挙権が引き下げられたが、選挙後の調査報道によると、若年層は自民党への投票比率が熟年層・老人層より高かったようだが、この背景には自身の判断の拠りどころとして、紙媒体よりネットの情報を頼りにしている事があったように思う。いくら朝日新聞等が改憲反対や政府暴走への危惧を喧伝しようが、若者達はそんな偏向報道の裏側は見切っていたのであろう。
今や情報は新聞で一方的に与えられるものではなく、自らネットに探しに行くものなのである。スマートフォンが普及し、いつでもどこでも情報が能動的に手に入るようになったし、これまでは大手メディアのみが可能であった全国津々浦々への情報提供はネットにより中小メディア、更にはSNSを通じて個人にまで可能となった。新聞が唯一の情報窓口であった時代はとうに過ぎ去ったのである。
新聞の時代には誰も朝日新聞と産経新聞の両方を購読する人はいなかったであろうが、今やネットを利用すれば両紙や他のメディアも無料で閲覧できる時代である。つまり、大新聞の一方的な情報操作は通用しない時代となったと言えるだろう。これが20年早く実現していたら、韓国との慰安婦問題や、中国との南京虐殺問題はこれほどに拡散はしていなかったと思う。
鳥越氏の内容のない記者会見に賛辞を贈った既存メディアの面々は、この変化への危機感にかられ、同じ船に乗る身として氏を庇っているのではないかと見える。さもなければ、鳥越氏の都知事候補としてあり得ないような発言を誉めそやすなど、常識人にはできることではない。今回の選挙では、このメディアの影響力の変化が顕になってくるのではと感じており、今後10年では間違いなく地すべり的な変化が起きてくるであろう。今は、ゆで蛙がようやく周囲の熱さに気付き始めたところなのではないかと思う次第である。
2016/7/19 23:30
蛇足の小事ではあるが、鳥越氏が街頭演説で繰り返している「私には聞く耳があります」という言葉は、ネットに残っている2年前のNHK終戦特別番組での氏の発言を見れば、全くの嘘であることが明々白々である。氏は討論の相手側の発言を途中で遮り、頭ごなしに自分の主張を繰り返すのみで、議論をしようとすらしない有様であった。更に酷いのは相手を選んで態度を使い分けるところで、著名な岡本行夫氏に対する言動と、氏より若く知名度の低い相手に対する言動は全く異なり、尊大で上から目線の言動が目に付いた。これもネットに残る実像であり、どれだけの有権者が目にするかは判らないが、若者の間では間違いなく情報として拡散していくと思われる。正に百聞は一見に如かずであり、大手メディアのムラで大先輩として祭り上げられている状況に甘んじていれば、氏は大きなしっぺ返しをくらうであろう。