ニュースの直感:三菱自動車が燃費不正 | フェディのブログ

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三菱自動車が燃費性能を上げ底にする不正を行っていたことが発覚した。


脱輪により歩行者の命を奪ったトラック車軸部の欠陥を隠蔽する等、過去から幾度も不正行為を繰り返してきた同社の企業体質が問題視されている。確かに不正を行った同社の責任は重いのではあるが、それは同社がこれから被るユーザーへの補償、OEM供給先の日産自動車への補償等の金銭的な損害や、失墜したブランドイメージによる販売低迷で自らが責を負うことになる。今回の不正の規模(現在生産している車種の大半に及ぶらしい)からすると、企業存続すら危うくなるであろう。自らの蒔いた種であるからして、当然の報いと思う。


しかし、同社の責任にばかりフォーカスしていては本質を見失いかねないと危惧している。それは、ユーザー側の成熟度の問題である。この10年ほどは自動車の燃費競争が激しく、新車が出る度に燃費性能を競ってきた。今回の三菱自動車も、他社を上回る燃費目標を掲げて開発に当たったが、その目標達成が果たせなかったことで、不正データを用いて燃費数値を底上げしたという。確かに自動車の販売前線からは、目に見える燃費データで他社を少しでも上回れれば売りやすいとの要望は強いであろう。しかし、これを逆から見れば、購入する側のユーザーがコンマ何km/lの燃費差を気にしているということでもある。


燃費性能は既に良く知られているように、モード燃費という一定条件でのベンチテストの結果であり、実使用ではその7掛け程度となってしまう。つまり、カタログ燃費は単なる目安に過ぎないのである。加えて言えば、コンマ何km/l の燃費差などは、トランクに無駄な荷物を積まないようにしたり、タイヤの空気圧を常に正常に保つこと、無駄な加速をしないこと等でいくらでも埋め合わせできる。また、年間1万キロ程度しか乗らない自家用車であれば、1km/l の燃費差があったとしても、月のガソリン消費は2リットルも違わない。たかが年間で2,3千円程度の経費差を、軽でも百万円を超える車選びの基準にするのは、とても賢い消費者とは言えないと思う。自動車企業に過剰な燃費競争をさせているのが消費者の購買態度であるとすれば、そこを変えなければ今後も無意味なメーカー間競争は継続し、不正を生み出す温床は消えることがないであろう。


無論、燃費向上への努力を認めないわけでは決してなく、高い目標があればこそ技術進歩も生まれるのは確かであると思う。ただ、過剰な競争は不正を生む大きな要因となり、それを誘引しているのはユーザーの購入態度であることも確かであろうと考える次第である。


メディアも、問題発生した後に大騒ぎし当該企業をバッシングするのではなく、平素から無意味な数値競争への警鐘と消費者への啓蒙をして欲しいと思う。それこそが社会の木鐸ということではないか。事件が起きてから根掘り葉掘り報道するのは単なるゴシップ屋と余り変わらないのではないかと思う。

       2016/4/22 23:00