今日、新安保関連法が施行された。
これに呼応して、シールズが中心になり国会前で抗議の集会を行い、深夜になっても叫び声をあげているようだ。若者が政治への関心を高めることは誠に喜ばしいことと思うが、私はシールズの活動には危うさしか感じ得ない。冷徹に見れば、一部のメディアの後押しを受け、それに便乗する野党政治家たちに擦り寄られ、舞い上がっていると言うのが実態であろう。集会で叫んでいる言語からも、まともな主張は感じられず、単に一般市民の(敢えて言えば深く考えていない人たちの)不安感情を掻き立てようとしているだけに見える。時に安倍首相をヒットラーに例える物言いもしていたようであるが、無辜の市民へのアジテーションという点で見れば、彼らのほうが余程ヒットラーに近いとも言える。
今年から選挙権が18歳に引き下げられる訳で、彼らが叫ぶ「民主主義ってなんだ」という事に従順に行動するなら、学生の政治参加を促すために自分の学内で地道な行動をするのが本筋であろう。自身では勝手に自主規制という事無かれ主義に浸っている一部メディアが、彼らの行動を煽り報道することで免罪符として利用している事は少し立ち止まって深く考えれば気付きそうなものである。
今日も、毎度変わらぬ「戦争法案廃止」と叫ぶ報道を見て、この人たちは日本を他国に売り飛ばしたいのかと暗澹たる気持ちになってしまった。テレビの市民インタビューでも漠たる不安を語る声を多く報じていたが、安保法制を整備しない限り、一方的に戦争を仕掛けられる危険性は高まることを理解すべきである。
単純化して極言すれば、将来の日本は西欧の民主主義諸国と価値観を共有し共に歩むか、共産党独裁国家の属国として自由を失うかの二択であろう。中国の本質を良く理解できていなかった米欧はこれまで、天安門事件で世界から非難を受けて孤立した後に、その反省の上に中国が民主化を進めるであろうことを信じて、その歩みを助け、あわよくば13億人の大市場でのビジネス利得を夢見てきたのである。それが、経済発展と共に「中国の夢」を再興するとし、逆に拡張主義が前面に出てきているのが近年の中国の動きである。
太平洋を自国圏としている米国は、ようやくそれに危機感を抱き始めたようであるが、欧州諸国は地理的位置からも、まだ経済的利益さえ得られれば由としているように見える。
日本列島を太平洋の中央に移動できるなら良いが、中国の太平洋進出を間近で塞ぎ込む位置にある我が国は、中国にとっては何百年かかろうが自国に引き込みたい存在であるのは間違いない。その地政学的位置を理解すれば、少なくとも抑止力は今すぐ高める必要がある。その上で彼の国が将来、拡張主義を捨てて、本当の隣国として価値観を共有できる存在となるのかを注視していくべきであろう。つまり、拡張主義が前面に出つつある今こそが集団自衛権が必要なのであり、米国の抑止力を利用すべき時なのであると思う。
安保法案成立時に、日本政府は国民の理解を得られるよう丁寧な説明をしていくとしたが、その後の動きを見ていると、まだまだ不十分であると感じざるを得ない。せめて、一般市民が漠然たる不安というものを、安保法制ではなく中国に対して感じるようにならなければ、いつまでたってもシールズのシュプレヒコールとそれに便乗する、野党の票の欲しい政治家たちの妄動は止まないであろう。
民主主義って何だ? は他人に対し叫ぶ言葉ではなく、我々一人一人が深く内省すべき言葉の筈である。
2016/3/29 11:30