アップルが米国裁判所からのiPhoneのロック解除命令を拒絶し、米国では大きな議論を呼んでいる。
昨今、安倍政権がメディアへの圧力をかけていると盛んに警鐘を鳴らしている日本のメディアが、このApple の件を余り大きく報じていないのは、不思議に感じる。司法まで巻き込んで、個人情報を連邦政府が思いのままにしようという米国政府の目論見は、表向きは乱射事件の事実関係究明とはいえ、日本政府の単に雰囲気的な、(メディアが言うところの)圧力に比べれば、強硬さの度合いは段違いであろう。日本政府を糾弾している日本のメディアは、この米国政府の動きにも同じ基準で声を挙げるべきと思うが、他国の事は我関せずという事なのであろうか?
私には単に逃げ、避けているようにしか見えない。そも、メディアが言い募った事例は、やれNHKのクローズアップ現代で国谷キャスターが降板させられたとか、テレビ朝日のニュースステーションで古館アナウンサーが更迭をさせられたとかであったが、私が感じたのは、何れも長期に亘る登板で、単に番組の顔としてそろそろ寿命に差し掛かったというだけという事である。言葉を換えれば、視聴者側の「世の中の雰囲気」が移ろっているのに、同じキャラクターが続投していたことで、視聴者との乖離が隠せなくなってきたということであろうと思う。これらの更迭劇を、安部政権の強圧によるものと、直接的には言わずとも、多くのメディアや評論家が匂わしているが、もし、そうだとすればメディアとして自らを否定する行為ではないか。正面から議論をせずに、自己規制をかけて自ら逃げているようにしか受け取れない。Appleが裁判所の命令を拒絶した姿勢とは正に真逆と言えるだろう。
Appleのニュースに触れて、日本のメディアの腰の弱さを改めて感じた次第である。
*日本のメディアとの対比で結果的にAppleを持ち上げてしまったようであるが、企業行動として見れば同社の判断は至極当然の事と思う。iPhoneは世界中で販売している訳で、もしロック解除を可能とすれば消費者が雪崩を打って他社に流れてしまうであろう。特に大市場の中国では、共産党の意のままに操作される事は明白であり、既販の端末も含み全てのiPhoneが中国国民の手から離れてしまうと思われ、それこそSharpではないが企業存亡の危機に直面することになる。
2016/2/26 24:00