中国の天津港で大規模爆発があった。
爆発のすさまじさは報道映像でも十分に伝わってきたが、鎮火後の爆心地の映像は更に衝撃的で、あたかも大型爆弾を投下された戦地の如き様相であった。
それにしても、中国のリスクは多種多様、広範囲に及び、ビジネスは無論のこと、市民生活も安穏とはしていられない。今まさに、経済に変調をきたしている中でこのような大事故を起こしてしまったことは北京政府にとって大きな痛手であろう。また、これだけの大災害にも関わらず、リー・コーチャン首相が4日後まで視察に出向かなかったことは、民心の動揺を抑えたい筈の北京政府にしては遅きに失したと言える。
憶測では書けないためか、どの報道でも触れてはいないが、私の見るところ、この遅れの背景には北京政府が初期の段階でシアン化化合物が大量に保管されていたことを把握していたと考える。それゆえにシアン毒物が現場では大量に生成されていることの懸念から、要人の派遣を安全確認が取れるまで遅らせたのであろう。爆発後、すぐに報道規制がかかったのも、この事実がどこからか漏出することを恐れたためと思う。
昨日には、バンコク市内で爆弾テロが発生したが、天津の事故の直後だけに、両国の報道の透明性の差が際立った。中国での大事故と言えば、数年前に新幹線の衝突事故後に事故車両を土中に埋めようとして露見したことがあった。この事故では、かなり多数の死者が出た筈なのに、公式報道では異様に少ない犠牲者数であった。恐らく、犠牲者家族に裏金を渡したり、犠牲者家族の勤務先や地元公安等のあらゆる伝手からの圧力を使って犠牲者の一部を隠蔽してしまったのであろう。後は時を経て民衆の記憶が薄れるのをひたすら待ち、やがては歴史からも事故の記録を消し去るつもりと見える。
このような透明性に欠ける一党独裁国、それも規模だけは大国である故に、隣国である我が国の中国へのスタンスには極めて戦略的な対応が必要であると思う。個人レベルでは、同類の人種で親しみを感じる面も勿論あって当然であるが、政治的には毅然とした対応を取り続けることが肝要であろう。独裁国に対し甘い期待を持つことは、自らを危うくするものであると思う。香港の一国二制度をなし崩しに押しつぶし、台湾では外省人であるマー・インチウを後押しして総統とし、経済の搦め手で中国寄りに誘導し、南沙・西沙諸島では小国を力でねじ伏せ、韓国も経済的依存度を高めさせて日米側から引き剥がしにかかり、着々とアジアでの覇権拡大を図っている。次の手は尖閣から沖縄と読むのが素直な流れであろう。
話題がずれていってしまったので、今回の爆発事故に戻ると、犠牲者、特に消防隊員には心から哀悼を捧げるが、北京政府に対しては対応の全てに大きな疑念を持たざるを得ない。
2015/8/19 01:00