ニュースの直感:五輪エンブレム問題 | フェディのブログ

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東京五輪のエンブレムデザインが物議をかもしている。



国立競技場の問題に続き、関係者にとっては頭の痛いことである。メディアでも様々な意見が披瀝されているが、結論から言えば、何の問題もないであろうと思う。



一つには、デザインというものはシンプルになればなるほど類似した意匠が出現するのは当然であるからである。今回のデザインも、Tの右側の突起を上下逆さまにすることでデザインの独自性を出している訳で、同じ発想が他にも出てくるのはやむを得ないだろう。今回の様な程度の類似性を持って問題とするならば、今後シンプルなデザインというものは不可能になってくる。



二つには、デザインを考案したのが著名なデザイナーであったということである。今回のデザイン募集の条件に、過去に相当な実績のあるデザイナーの作品と限定していたらしいが、その理由の一つは、著名デザイナーであれば、自己の将来を危うくするような盗作は絶対にしないであろうとの担保であったと思う。もし、一般公募であれば、どこかから知られていない作品を盗用してしまう応募者を排除できない訳で、リスクが大きすぎると思う。



三つには、ベルギーの劇場ロゴが法的に有効な意匠登録をしていなかったようであること。五輪組織委員会では、このデザイン選定後、数ヶ月かけて全世界の意匠登録を調査していたらしいが、法的登録をしていないベルギーのロゴが、網にかかってこなかったのは当然である。極端な例を言えば、北海道の田舎町の商店の主人がしゃれ者で、自分で店のロゴをデザインして看板にも用いていたが、それがたまたまグローバル企業が新たに制定した企業ロゴと瓜二つだった、というような話である。ベルギーの劇場側は使用差し止め等の要請を検討すると言っているようであるが、その法的根拠はゼロであろう。単なる話題づくりで、劇場の来場者を増やしたいとの思いが透けて見える。



メディアの報道を見聞きしていると、国立競技場の問題の直後であったからか、批判的な言い回しが目に付いた。中にはデザイナーのコメントがすぐに出ないことで、あたかも雲隠れしているかのような印象付けを与えるような報道まであった。まさに、先の安藤忠雄氏の対応を批判していた際のノリの続きと感じたが、今回は背景が全く異なる。安藤氏は建築家として、プロにあるまじき失態・怠慢をした訳で、責められてしかるべきと思うが、今回の佐野研二郎氏には何ら瑕疵はないと考える。

また、日本人の穏便を旨とする国民性のためか、海外からのクレームについて過剰な反応をしがちであるが、今回は胸を張って問題なしと言い切って良い事案であると思う。メディアも騒ぎ立てるばかりではなく、冷静にロジックで問題の本質を報道すべきだろう。



最後に、あえて言えば、あれだけ似ている形状なのであるから、Google等の検索エンジンで、図形や写真としてチェックしていたら、ベルギーのロゴはどこかでひっかかっていたのではないかと思う。それができていたら、事前に先方の了承を得る等の対応は可能だったかも知れないと感じた。

                           2015/7/31 20:00