中谷防衛大臣が沖縄を訪問し翁長知事と面談した。
大臣にしてみれば、沖縄米軍の案件は所管のことであるから面談することで、いわばアリバイづくりをしたのであろう。先に安倍総理との面談で全くの平行線であったわけであるから、トップ会談の食い違いを下の職位の国務大臣が方向性を変えることなど、望むべくもないのは判り切った上での面談と思う。これで、総理大臣、官房長官、防衛大臣と順に面談を行った訳で、政府としては予定の行動であろうから、今回の防衛大臣の面談とその結果は、いわば予定調和と言って良いであろう。これで、政府側は一応の礼は尽くしたのであるとして、知事への働きかけは沙汰止みになると思われる。
それにしても、翁長知事の頑迷さには恐れ入るが、その裏に個人の名誉欲が潜んでいないことを願うばかりである。数年前まで一市長に過ぎなかった人物が、辺野古移転問題のおかげで、総理、官房長官、防衛大臣と見かけ上(知事の意図であろうから見せ掛け上と言ってもよい)は対等の如く向き合っているわけで、当人にとってみれば高速エレベータで一気に高層ビルの展望階に上ったようなものであろう。長く沖縄内で政治に携わってきた身とすれば、キャリアの最後に清水の舞台で大見得をきる絶好の機会を得たとも言える。
一連の知事の動静を見ていると、発言とは裏腹に、本気で辺野古移転を阻止しようとしているとは、どうも見えない。氏も沖縄で市議から県議、市長と政治に関わってきて、沖縄の置かれた立場は良く理解していると思う。その上で、あのような一徹な態度を取っているのは、上に記した個人の名誉欲か、政府からの大きな見返りを勝ち取って自身の花道にして、県政史に名を残したいとの強い欲望があるのではないか。先日、わざわざこの時期に中国を訪問するなどは、いかにも政府と渡り合うために自分のカードを増やす狙いがあるように見えてしまう。言い換えれば、見え透いたブラフのようだ。
もし、知事がこのような背景で辺野古移転問題を処しているとすれば、言語道断である。昨年12月の就任以来、長く安倍首相が面談しなかったのも、この様な疑念を持ったからと考えれば納得がいく。
とまれ、沖縄の米軍基地は、日本の安全保障上欠くべからざるものであり、普天間の危険性の除去という喫緊の課題も考えれば、辺野古移転は沖縄県にとっても即刻前進させるべき事であろう。知事が県民の意思と称して基地撤廃を唱えている以上、相手にしているような無駄な時間はない。それこそ「粛々と」辺野古移転を進めるべきである。例え、第二の成田闘争となっても政府としては推し進めるべきであろう。恐らくそのような深刻な事態に陥る前に、翁長知事は自ら折れてくると私は思うし、沖縄県民の真の総意というものも見えてくると考える。いずれにしろ、一県知事に国の安全保障を左右されるようでは、国家として体をなしていないと言っても良いであろう。
2015/5/9