ニュースの直感:トヨタが中国に新工場建設 | フェディのブログ

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トヨタが中国広州に新工場建設を決めた。




三年連続で世界一の販売台数を誇るトヨタであるが、ドイツVWが急追しており、今年は逆転が予想されている。トヨタは今年の世界販売計画台数を、異例とも言える1%減としているが、これはVWに抜かれることを自ら認めたに等しい。恐らく本音では数%の増加を目指していると思うが、それでもVWに追い越されるのは避けられないために、計画そのものを低く押さえることで、今から首位転落のエクスキューズを打ったのであろう。




世界最大となった中国市場は、一昨年までの二桁増からは落ち着いたものの、昨年は6.9%増で、今年は達成の可能性はともかく、7%増と予測されている。トヨタとVWの勢いの差は、この中国市場によるところが大きい。昨年はシェアトップのVWグループが368万台でトヨタの103万台の3倍以上となっている。仮に両社が共に7%増となったとすると、VW26万台増、トヨタは7万台増で19万台もの差が拡大することになる。




そこでトヨタの本音に戻って、中国での蒔き返しには生産能力の増強が前提となる訳で、今回の新工場建設を決めたのであろう。しかし、中国市場が二桁成長を続けていた間に、トップを争うVWGMが競って生産能力拡大を進めたこともあり、現在でも既に大幅な生産能力過剰となっている。このため、低成長2年目となる今年からは、販売競争の更なる激化が予想される。昨年後半から、多くのディーラーが競争激化による値引き販売を強いられたために赤字に陥り、自動車メーカーに赤字補填を要求し、BMWやトヨタも巨額の補助金を支出させられている。このような状況下ではトヨタの能力10万台という新工場建設は大きな賭けとなるであろう。




賭けであれば、勝ちが見込めるから行うのであろうが、客観的に見れば負担を背負い込む結果となるかも知れず、トヨタの中国事業は今後数年にわたり収益の悪化に苦しむことになる可能性は高いと思う。現在トップを争う二強のVWGMでさえも、今後の事業環境は甘くはない。中国政府が数年前から標榜しているローカルブランド車の拡大が一向に進まない中で、いつ何時、北京政府が強権を持って海外ブランドの締め出しにかからないとも限らないからである。海外メーカーを標的にした恣意的な独禁法適用や、中国資本のディーラーを束ねてのメーカー叩き等々、既にその兆しは現れており、海外メーカーにとって従来のような収益を上げることは、難しくなってきている。トヨタにとっては確かに中国市場でのシェア拡大は渇望するところであろうが、仮に台数は伸ばせたとしても、収益での寄与、つまり投資の早期回収ができなければ、単に潜在的リスクを増大させるだけになってしまう。中国でのシェア拡大よりは、同社の金城湯池である米国や、リスクが少なくシェアの低い欧州での拡販の方に力を入れるべきであろう。




今回のトヨタの中国投資には大きな疑問を抱かざるを得ない。

                            

                          2015/4/6