NHK籾井会長の発言をめぐってメディアが喧しい。
いろいろなメディア関係者の発言を聞いていると、その人たちの背景・立ち位置が浮かびあがってきて外野から見ていると実に面白い。中でも民主党での会議は語るに落ちると言えるだろう。経営計画を説明するとして呼ばれた筈なのに、民主党の階議員は籾井氏の過去の発言を糾弾する発言に終始し、籾井氏との間で声を荒げた言い争いを繰り広げた。そこには相手を尊重する態度のかけらも見えず。単に重箱の隅をつついては相手を挑発し、その言葉尻をとらえては更に突っ込むという誠に情けない姿があった。
この場面を見ていて、既視感にとらわれた。それは、暫く前になるが、新潟県の泉田知事が東電の廣瀬社長の訪問を受けたときの対応である。泉田知事は多くのマスコミの前で、廣瀬社長を門前払いのごときあしらいをしていた。このときの映像を見て、いかに県知事といえども年上で、東京電力の社長職に向かっての態度ではないと強い違和感、いや怒りを覚えた。もし、あの福島の事故が起きず、各地の原発が静々と稼動を続けていたとしたら、泉田知事は新潟県に巨額の金を落としてくれる東電の社長を満面の笑みでもてなしていたのではないか。
今回の籾井氏への階氏の態度も、同様に年上で社会的地位のある人に対する態度ではない。廣瀬氏は言葉を呑んで、その場を収めたが、籾井氏は性格もあるであろうが正面から渡り合った。事を収めた廣瀬氏にしても、心中は煮えくり返っていたに違いない。私の価値観から言えば、泉田知事も階議員も人間として失格であると思う。スタンドプレーを用い、立場の弱そうな相手、それも年長者に対し高圧的な態度をとるというのは自らの度量の小ささを現していると思う。
籾井氏に関しては、個人的には何の好き嫌いもないが、従来の事なかれ主義のNHK会長よりはずうっと良いと思う。籾井氏のように思うところははっきりと発言してくれた方が、その人の立ち位置がはっきりして好ましい。とかく日本人は議論を嫌う傾向があるが、籾井氏がなにかしら石を投げ、波紋を起こしたら、正面から冷静に議論をすれば良いことである。決して一方的につるし上げるような物言いをしてはいけない。今回の階氏とのやりとりでも籾井氏の言葉そのものは感情的にはなっていないと見えた。
問題は一方的な価値観を押し付ける方である。メディア関係者の籾井氏への評論の中には議論を避けて一方的なレッテル貼りをしている例が多く見られる。ジャーナリストと呼ばれているらしい(私にはそうとは全く見えない)大谷明宏氏にいたっては「大本営発表」なる言葉を引いて批判をしているありさまである。これこそ、葵の印籠をひけらかして相手をひれ伏させようとする一方的な弾圧であろうが、いまどき大本営を持ち出す神経が全く判らない。ジャーナリストと称するならば自分の言葉で論理的な反論をすべきである。
他にも種々の波紋を起こしている籾井会長であるが、まっとうな議論ができる社会とするためにも、つぶされずに頑張ってもらいたいと思う。
2015/2/23 20:00