ニュースの直感:Appleが自動車に参入? | フェディのブログ

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Appleが自動車に参入するとの報道が流れた。

ソースはBloombergらしい(下記URL

http://www.bloomberg.com/news/articles/2015-02-19/apple-said-to-be-targeting-car-production-as-soon-as-2020?hootPostID=9f3917f4905f086a568d81c5d794101a



この記事を読むと、まだ単にうわさの域を出ず、以前Apple TVが話題と憶測を呼んだのと同じレベルのようだ。無論Apple自身もコメントは拒んでおり、周辺のAppleウォッチャーがApple TVの時と同様に、Appleの次の手を先読みして囃しているのだと思われる。



記事には既に約200人の自動車チームを立ち上げて、2020年までに商品化するようトップが指示していると書かれているが、そもそも、異業種からの自動車への参入はとてもハードルが高い。恐らく、シリコンバレー発のEVメーカーTesla社の一応の成功と、Googleの自動運転車の開発を見て、Appleにも自動車参入の可能性があると踏んでいるのであろう。しかし、Teslaはパワートレイン以外は全てLotusの車体を借りてRoadsterを立ち上げ、数年かけて技術を蓄積したうえで自社オリジナルのModel Sを開発したのであり、スクラッチからの立ち上げではない。Googleも自動運転車を実走行させるまでになったが、商品化するかは未定である。



自動車は大半が個人の所有物で、家の次に高価なものであり、しかも長期間保有する。つまり、購入にあたっては大半がローンを利用するし、選択にあたってはメーカーの信頼度やサービスの充実を重視する。また、製造にあたっても、2, 3万点の部品を調達する幅広いサプライチェーンの構築が必要となる。


つまり、自動車は最終組立てメーカーだけでは存立できず、部品、ディーラー、ローン金融、アフターサービス等々多くの機能を纏めることが必須となる。100年を超える歴史の中で今の自動車メーカーがこれら周辺企業と共に存立しているのである。いかに、Appleに資金があり、技術開発能力があったとしても、ビジネスの成り立ちがエレクトロニクス機器とは大きく異なるため、自動車への参入可能性は殆どないと言えるであろう。



数年前にEVが次世代車として耳目を集めた際にも、エンジンからモーターに代わることで、異業種からの参入が容易になり、業界にパラダイムシフトが起きると一部のメディアでは囃していたが、今はすっかり声を潜めてしまったのは上記のような背景がある。



今回のAppleの話題も、Apple自身も自動車メーカーとなる気は更々ないであろう。自動車開発チームが本当にあるとしたら、それは今後、自動車とインフォメーションとの繋がりが急速に進むのを見越して、その中でどのようなビジネスチャンスがあるのかを探るためと思われる。Googleの自動走行車も同じコンセプトであり、自社での生産・販売は考えてはいないと思う。Googleにとっては保有するGoogle mapの膨大なデータ資産をどのように収益にかえられるかが関心事であり、そのデータの活用法として自動運転車を実験しているのである。そこで成果を出せれば、システムとして世界の自動車メーカーに売ればよいのであって、リスクを負ってまで自ら自動車を作る理由は全くないであろう。仮に少量でも量産する可能性があるとすれば、それは決して個人所有用ではなく、タクシーのような公共交通用になると思われる。



メディアは話題づくりが仕事なのかもしれないが、Appleが自動車に参入と報ずるのは筋の悪い冗談としか思えない。

                       2015/2/21